太陽光発電を後付けして採算が合うのか?固定資産税や火災保険料はどうなる?

昨今は再生可能エネルギーが注目を集めており、中でも太陽光発電はコストパフォーマンスの高さから大きな節電効果が期待されています。現在住んでいる住宅に太陽光発電システムの後付け設置を検討している方もいるのではないでしょうか。

 

そこでこの記事では、今から太陽光発電を後付けしても採算が合うのか解説します。太陽光発電の後付けに関する知識を深めれば、積極的に設置が検討できるでしょう。後付けに必要な手続きや蓄電池の併設についても紹介します。

 

目次

今から太陽光発電を後付けしても採算が合う理由

太陽光発電が気になっていても、今から後付けして元手以上の利益を得られるのか不安で、導入に踏み切れないという方も多いでしょう。太陽光発電システムのコストパフォーマンスは年々向上していて、十分に元が取れることが期待できます。ここでは、後付けしても採算が合う理由について見てみましょう。

 

太陽光発電システムのコストパフォーマンスは上昇の一途

モジュール(太陽光パネル)生産技術の進歩により太陽光発電システムの発電効率は年々向上しています。さまざまな技術の開発を目指していて、太陽光をレンズで集めることで効率的に発電する「集光型太陽光発電システム」もそのひとつです。現在は15%~20%といわれている発電効率を、2030年までに40%にすることを目標とする企業もあります。

 

FIT制度で保障される電力の買取価格が下がっていてもコストパフォーマンスが上がっているので、今から導入する方でも長期的に見て十分に初期費用を回収できるでしょう。

 

太陽光発電で昼間の電気を賄う

太陽光発電で得た電力を自家消費すれば、電気代の節約効果が期待できます。本来なら電力会社から購入する昼間の料金の高い電力を賄えるので、家計の大きな助けになるでしょう。電気料金は夜間よりも昼間の方が高いので、日が出ている時間帯に発電する太陽光発電によって効率的に電気代を抑えられます。

 

昼間に使用する電化製品の消費電力を440Wとして8時間連続使用したと仮定すると、電気代は約92円です。全て自家発電で賄うと、月々2,760円ほどの節約効果があります。ただし、太陽光発電で得られる電力は天候に左右されることを覚えておきましょう。

 

余った電力を売電してシステム費を補う

太陽光発電で得た電力の用途は自家消費だけではありません。家庭で消費しきれなかった電力は売電することで収入になります。自家消費されなかった余剰電力は電力会社が買い取ってくれるので無駄がありません。

 

特に、FIT適用期間は通常よりも高く売電でき、副収入として大きな経済効果が期待できます。売電収入で太陽光発電システム導入時の初期費用を補填し、採算が取れる仕組みです。

 

長寿命化が進む太陽光発電システム

技術の発展により太陽光発電システムは長寿命化が進み、以前の機種よりも費用対効果が向上しています。現在、パネルの寿命は30年以上といわれており、パワーコンディショナも性能向上や定期的な日常点検によって長期間使用が可能になりました。

 

長く使用できることから中長期的な視点で初期費用の回収予測が立てられるようになり、導入のハードルを下げる一因となっています。

 

太陽光発電を後付けするときの施工費

システムの導入に必要な費用は、パネルの購入費用だけではありません。パワーコンディショナや集電盤といった機器や設置費用、配線工事費も必要です。ここでは、太陽光発電システムを後付けするときの施工費について解説します。

 

施工内容と費用相場

太陽光発電システムを自宅に設置する際には、設備の購入費用以外に施工費がかかります。具体的な施工の内訳は以下の通りです。

 

設置費 太陽光パネル、架台レール、パワーコンディショナ、集電盤、メーターといった機器を設置する費用
足場代 足場の費用。屋根の形状や勾配によっては必要
配線工事費 機器をケーブルで接続する工事費用

 

機器の種類や設置する場所、必要な工事によって費用は変わるので、総費用の目安は100万円~300万円と幅があります。例えば、発電した電力量や現在の発電量を屋内で確認できるパワーモニターを高性能タイプにするようなオプションをつけた場合、別途費用が必要です。具体的な価格が知りたい方は、業者に相談してシミュレーションするとよいでしょう。

 

販売会社指定の施工業者と個別での依頼はどちらがよいか?

業者によって施工の質が大きく異なる場合があるため、施工業者は慎重に選ぶ必要があります。販売会社が指定する施工業者に一括して依頼するか、個別に依頼するか、迷う方もいるでしょう。

 

良い業者を判断するポイントとして、施工IDの有無、瑕疵担保責任や自然災害補償の加入、アフターサービスの内容が挙げられます。基本的には、手間をかけずに実績のある施工業者に依頼できるので、販売会社が指定する業者に任せるのがおすすめです。

 

リベラルソリューションでは「モジュール20年保障」や「機器10年保障」といった充実した保障と専門家による手厚いアフターサービスを実施しています。太陽光発電の販売・施工会社をお探しの際は、ぜひリベラルソリューションにお申し付けください。

 

後付け工事で注意する点

後付けで太陽光発電システムの設置工事をする際は、いくつか注意すべきポイントがあります。家屋の環境や状態によっては想定していた機器を設置できない場合もあるので、具体的な計画を立てる前に注意点を把握し、問題なく後付け工事ができるか確認しましょう。

 

重量に耐えられるか

屋根に設置するパネルは重量があるため、施工前にパネルの総重量を想定して荷重に耐えられるか診断する必要があります。築年数や梁の強度によってはパネルの重量に家屋が耐えられないと判断されるケースがあり、その場合は補強しなければなりません。

 

また、重量に耐えられる強度があったとしても、パネルを設置することにより家屋の耐震強度が下がる危険性があります。万が一の場合に備えて、災害保険と保証期間を確認することも大切です。予算や家屋の状態を考慮して、無理のない導入計画を立てましょう。

 

屋根に影がかかる時間帯が多い

家屋が建っている環境によっては、屋根に影がかかる時間が長い場合もあるでしょう。周りに山や建物、背の高い植物があると、影がかかってパネルの一部に太陽光が十分に当たりません。影になる時間帯は発電効率が下がり、想定していた発電量を得られない恐れがあります。

 

太陽光発電システムを効率的に運用するには、入念なシミュレーションが大切です。発電量にどの程度影響があるのか判断できないときは、信頼できる業者に相談するとよいでしょう。

 

設置後10年以内に解体する予定がない

太陽光発電システムを設置しても、十分に活用する前に家を解体すると採算を取ることは難しくなります。今後10年は建て替えや増築による家屋の解体や引っ越しの予定がないか、しっかりと検討してから施工しないと大きな損をするかもしれません。

 

少なくとも、FIT制度が適用される10年間は太陽光発電を継続利用できる環境か確認してから導入しましょう。

 

太陽光発電を後付けしても固定資産税は上がらない

太陽光発電システムは設置方法によって固定資産税の課税対象になるケースとならないケースがあります。

 

最初から住宅の一部として設計に盛り込まれていて、パネルが屋根と一体化しているタイプは課税対象です。一方、取り外し可能な後付けタイプは設備として扱われるため、固定資産税はかかりません。固定資産税は固定された動かせない資産に課税されるので、取り外し可能な設備は課税対象とならないケースがほとんどです。

 

ただし、システム容量によって扱いが変わります。システム容量が10kW以上あると、収益を目的とした事業用資産と見なされるため、後付けでも課税対象になるので注意が必要です。

 

太陽光発電を後付けした場合の火災保険

火災や台風、落雷による被害はメーカーの保証対象外なので、別途保険で補わなければなりません。太陽光発電システムは、設置のタイミングを問わず火災保険の対象に含まれます。

 

ただし、太陽光発電システムを後付けで設置すると家屋の価値が変化するため、評価の見直しが必要です。家屋の価値が上がっているにもかかわらず保険金額がそのままだと、万が一の際に十分な額の保険金が支払われない恐れがあります。施工後は速やかに加入している保険会社へ連絡して、家屋の再評価を依頼しましょう。

 

再評価により家屋の価値が上がれば、保険金額も増えます。運用シミュレーションをする際には、保険金額も忘れずに計算しましょう。

 

太陽光発電のある家に蓄電池を後付けするメリット

蓄電池は太陽光発電とセットで運用するとメリットが多い設備です。電力を生み出せる時間帯が限られている太陽光発電と電力を蓄えて任意のタイミングで消費できる蓄電池は相性が良く、併用することで電気代の節約効果と利便性が大きく向上するでしょう。ここでは、季節の太陽光発電システムに蓄電池を後付けで連携するメリットを紹介します。

 

太陽光発電と蓄電池をシステム化するメリット

太陽光発電と蓄電池を同時に運用してシステムを構築すれば、太陽光発電の経済効果が大きく向上します。特に、卒FIT後は余剰電力の売電価格が大幅に下がるため、売電よりも蓄電池に充電した電力を自家消費する運用方法が効果的です。

 

また、蓄電池の導入は経済的なメリットだけでなく、災害対策の面でも貢献します。蓄電池があれば、停電が発生しても電化製品が使用できるので安心です。

 

2018年9月には北海道や静岡県を中心とした地域で大規模停電が立て続けに発生し、非常時用の電力を確保することの重要性を実感した方も多いでしょう。自然災害が多い日本では、災害対策のためにも蓄電池を備える意味は大いにあります。

 

機種の選定は必ずプロに相談を

蓄電池には「特定負荷型」と「全負荷型」の2種類があり、電力を供給する範囲や使用できる電化製品が異なります。特定負荷型は、事前に設定した一部にのみ電力を供給するタイプです。冷蔵庫やテレビといった必要最低限の電化製品に絞って電力を供給します。

 

一方、全負荷型は家屋の全域に電力を供給するタイプです。停電時も普段とほぼ変わらない生活ができるでしょう。空調も使用できるので、高齢者や乳幼児がいる家庭では特に安心です。

 

このように、蓄電池は機種によって機能や価格がさまざまなので、自宅に合った最適な機種を探すのは難しいでしょう。機種を選ぶ際には、基礎知識の習得とともに、専門知識を持ったプロのアドバイスを受けることをおすすめします。

 

太陽光発電の後付けに必要な手続き

太陽光発電を後付けするには、設置工事以外に申請手続きが必要です。住宅用太陽光発電を後付けする際の手続きの流れは以下の通りです。

 

1.電力会社と電力受給契約を締結する

2.事業計画認定申請書を作成する

3.必要書類を準備する

4.「電子申請システム」を利用して提出する

5.審査を受けて認定取得する

 

電力会社への申し込みと事業計画認定の申請はどちらから始めても構いません。ただし、事業認定取得までに電力会社との電力受給契約締結は済ませる必要があります。申請から認定取得まで3か月以上かかる場合もあるので注意が必要です。

 

手続きは専門的で分かりにくい部分もあり、個人で手続きを行うと時間がかかるかもしれません。書類の作成が困難な場合、販売施工会社に代行を依頼するとよいでしょう。リベラルソリューションでは手続き代行も承っているので、遠慮なくご相談ください。

 

これからは電気を「買う」のではなく「創出・貯める」時代へ

今までは電気は電力会社から買うのが一般的でしたが、これからは創出して貯める時代へと変化することが予想されます。家庭で使用するエネルギーを外部に依存するのではなく、自家で賄うシステムを構築することで収支をプラスマイナスゼロにする「ZEH」も登場し、住宅エネルギーの創出は今後さらに重要性を増すでしょう。

 

リベラルソリューションはこれからの住宅事情に対応した新しい電力消費の在り方についてご提案しています。新世代のエネルギーの総合パートナーとして、皆様の豊かな未来のためにお役立てください。

 

まとめ

太陽光発電のコストパフォーマンスは年々向上しており、後付けしても十分に採算が取れるといえるでしょう。中長期的な運用が求められる太陽光発電は、しっかりと事前計画を立てることが大切です。

 

ただし、個人が未来を見据えた綿密なエネルギー計画を立てるのは難しい部分があります。どのように計画を立てればよいのか分からない方はリベラルソリューションにお申し付けください。それぞれの環境に即した最適なプランをご提案します。

 

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