太陽光発電システムを設置する際にはパワーコンディショナも必要です。しかし、なぜ必要か、どれを選べばよいのか分からないという方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事ではパワーコンディショナの機能と仕組み、失敗しないための選び方を分かりやすく解説します。パワーコンディショナを含む太陽光発電システム導入を依頼する業者選びのポイントも併せておさえておきましょう。きちんと知ることで、目的にぴったりのパワーコンディショナを選ぶことができます。
家庭用の太陽光発電にはパワーコンディショナが必要!
パワーコンディショナは太陽光発電システムで作った電気を家庭で使用したり、売電したりできる状態に変換する、電力供給の要としての役割を果たします。変換効率が高いものほど電気の変換ロスが少ないことを覚えておきましょう。
効率よく安定して電力を供給するための調整をしたり、災害時に自立運転に切り替えて太陽光で発電した電力を自家消費専用にしたりする機能もあります。
形状はエアコンの室外機程度の大きさです。屋内設置型と屋外屋内両用型とあります。災害時に使用できるコンセントが併設されているものもあり、そうした場合は災害時に使いやすいよう設置場所を選ばなければなりません。
太陽光発電に用いられるパワーコンディショナの機能
パワーコンディショナは電気を変換するだけでなく、発電量のコントロールやトラブルを抑制することにも力を発揮します。担う役割をきちんと理解しておけば、停電や災害などのいざというときにも適切に使うことができるでしょう。
発電量の調整
パワーコンディショナには「最大電力点追従制御」という機能が備わっています。最大電力点追従制御はその日の日射量に合わせて最大の電力を発電できるよう、最大出力点をコントロールする機能です。
太陽光発電システムは、電流と電圧が一定の範囲内にあるときにしか発電しません。雨や曇りの日、日照時間が短い季節などは発電量が落ちる傾向があります。そのようなデメリットを改善するのが最大電力点追従制御です。安定して、効率よく発電するためには欠かせない機能といえます。
直流を交流に変換する
太陽光発電システムで発電した電気を家庭で使用できる電気に変換するのが、パワーコンディショナにとってメインの機能といえるでしょう。太陽光パネルで発電する電気は直流電圧のため、そのままでは家庭の電化製品に使えません。パワーコンディショナで交流電圧に変換して初めて、家庭で使えるようになります。
この電流変換の際に、どれくらいロスを少なく変換できるかを表したものが変換効率です。家庭用ではおおむね95%前後となっており、数値が高いほどロスが少なくなります。
電圧の調整
自家消費型の太陽光発電システムを運用する際、発電量が消費電力を上回ってしまうと「逆潮流」という現象が発生し、発電が停止する原因になります。逆潮流を防ぐ方法のひとつとして、パワーコンディショナと逆電力継電器(Reverse Power Replay)を併設することで太陽光発電システムの動作を制御することが可能です。逆潮流対策を行わない場合、発電量が多くなると発電システムが停止し、発電効率が低下してしまう要因になります。
異常トラブルの制御
太陽光発電システムを設置すると、発電システムと電力会社の送配電網をつなぎます。そのため、自宅の太陽光発電システムでトラブルが起こると、周辺地域にまで影響が出るかもしれません。
そのトラブルは自宅内でも問題を引き起こす可能性があります。電圧や周波数の変動は電化製品の予期せぬ動作停止、回線のショート、精密機器のバグなどを起こすかもしれません。
パワーコンディショナは太陽光発電システムの異常を検知すると、連携する電気系統を分断します。それによりトラブルは制御され、電化製品や電気系統を守ることができる仕組みです。
停電でもOK自立運転機能
停電時など、いざというときに役立つのが自立運転機能です。家庭用太陽光発電システムのパワーコンディショナには自立運転機能がついています。電力会社からの電力供給が止まっても自立運転モードに切り替えることで、太陽光発電で作った電力を自家消費することが可能です。
使用可能な電力は1.5kW程度のものが多いため、冷蔵庫やテレビなどの電化製品なら複数台を組み合わせて使える場合があります。一方、エアコンやオイルヒーターなど起動時の消費電力が大きい電化製品の使用には注意が必要です。
太陽光発電のパワーコンディショナには2種類ある
パワーコンディショナは電圧をコントロールするコンバータ機能によって、トランスレス方式と高周波絶縁トランス方式の2つに分類されます。それぞれにメリットやデメリットがありますから比較してみましょう。自分の希望や使い方にぴったりなパワーコンディショナ選びに役立ちます。
トランスレス方式
トランスレス方式は変圧器(トランス)を使わずに、太陽光発電で作った電気の電圧をコンバータで調整し、インバータで交流電力に変換するタイプです。変換効率が高いことや、シンプルな構造のため比較的低コストで購入できる傾向にあることがメリットといえます。
ただし、変換前後の電流を完全に絶縁する仕組みがないため、パワーコンディショナが故障したときに電化製品が故障する可能性がゼロではありません。しかし、これには絶縁変圧器部で備えている製品がほとんどです。
高周波絶縁トランス方式
高周波絶縁トランス方式は、電圧調整のために変圧器が組み込まれたタイプです。高周波変圧器で直流電流と交流電流を分断しているので、直流電流が漏れ出ることによるトラブルを防げます。
サイズはトランスレス方式より小ぶりなので、設置場所に余裕がない場合は高周波絶縁トランス方式のほうがよいかもしれません。タイプによって値段も変わるので、設置環境や電気使用量などを全て考慮して、ご自身に合ったものを選びましょう。
価格で購入を決めてしまい、満足度の高い導入にならなかったケースもあります。費用だけを考慮するのではなく、あなたの生活スタイルにあうパワーコンディショナを導入することをおすすめします。
太陽光発電に用いるパワーコンディショナの選び方
ここではパワーコンディショナを選ぶときのポイントを紹介します。パワーコンディショナを上手に選ぶには、価格だけでなくスペックや保証などもしっかりと確認しましょう。譲れないポイントを決めておくのもおすすめです。注意点やリスクも把握しておけば、故障などの際にも慌てずに対処できます。
スペック
パワーコンディショナには単相と三相の二種類があり、配線本数や電圧などがそれぞれ異なります。単相パワーコンディショナは2本の配線で電気を送受信する構造で、メンテナンスしやすく静音性が高いことが特徴です。対応電圧は100V又は200Vで、100Vの単相パワーコンディショナは住宅用太陽光発電に適した電圧として扱えます。一方で取り扱える電力量が比較的低く、大規模な発電システムには適していないことがあります。
三相パワーコンディショナは3本の配線で200Vの電気を送受信する構造で、比較的大容量の電気を扱えることが特徴です。一方で絶縁トランスが必要になるので、三相パワーコンディショナは高周波絶縁トランス式を使用、もしくは絶縁トランスを個別に設置する必要があります。
耐塩害性
海岸線に近い地域では海水や潮風によって金属が錆びやすいので、パワーコンディショナを設置する際には耐塩害もしくは耐重塩害仕様を選ぶことで故障リスクを抑えられます。海岸線から500m未満は重塩害地域、目安として500m~2km程度は塩害地域として分類されるエリアです。海岸線に近いエリアにパワーコンディショナを設置する場合はメーカーサイトや施工会社などで製品情報を確認することが故障リスクを低減させるポイントです。
なお、設置状況によっては表面の塩分を定期的に除去したり、金属部分に耐塩塗装を施したりするなどのメンテナンスが必要になる場合もあります。
保証
パワーコンディショナに不具合が出たときに無償で修理してもらえるかは大切なポイントです。どのようなことが保証対象になるのか、どれくらいの期間保証してもらえるのか、比較検討しましょう。
内容は滅多に起きないようなトラブルが保証されていても使い勝手はよくありません。保証期間は、以前は10年程度が一般的でしたが、今では有償期間を含めると15年~20年保証が選べるものもあります。
敷地内に設置できるか
自宅の敷地内に設置できるサイズか、設置場所の環境に対応できるかもポイントです。敷地からはみ出してしまうと近隣からの苦情の原因になりますし、屋内型を屋外に設置しては劣化を早めてしまいます。非常時コンセント一体型の場合、停電時はそのコンセントを利用するため、非常時に使いやすい場所に設置するのがよいでしょう。
価格
パワーコンディショナはサイズやスペックなどによって価格に多少の差があります。必要な機能が盛り込まれているか、保証内容は充実しているかなどを比較しながら選ぶとよいでしょう。
同等の機能のものでもメーカーによって価格差があります。同じメーカーの機種だけでなく、複数のメーカーの製品を価格面、機能面から比較できる実績豊富な業者に相談するのがおすすめです。
静音性
メーカーやスペックによっては運転音が大きいことがあるので、気になる方は静音性の高いタイプを選びましょう。住宅が密集している場所で屋外設置型を使う場合は、近隣の住宅への配慮も必要です。ご近所トラブルを起こさないためにも、設置する環境に適したものを選びましょう。
太陽光発電に用いられるパワーコンディショナの注意点
ここではパワーコンディショナを使うにあたって、おさえておきたい注意点を紹介します。注意点を知っておくことは、長期的に安定した運用を行ううえでも重要です。
パワーコンディショナは故障することもあります。注意点をひとつずつクリアして故障などのさまざまなリスクに備えましょう。
設置場所によってはトラブルの原因に
パワーコンディショナは多少の動作音がします。屋外型であっても現在は静音設計されているものがほとんどですが、運転音が思いがけないトラブルを招くこともあるでしょう。自分は気にならなくても、他人からすると耳障りな音かもしれません。
苦情によって太陽光発電が使えなくなっては、設置費用が無駄になってしまいます。設置場所に注意して不要なトラブルを回避することが必要です。
故障で使えなくなる場合がある
パワーコンディショナは、経年劣化や設置環境による影響などによって故障することがあります。
できるだけ長く、安全に使うには定期的なメンテナンスが必要です。修理不可能な故障が起きたら交換しなければいけません。
定期的なメンテナンスで長く使えるとしても、もしものときに使える保証で備えることも重要です。パワーコンディショナに対する保証は太陽光パネルと異なる年数設定の場合も多いので内容と期間をしっかり確認しましょう。
費用回収できない場合がある
太陽光発電は電気料金の削減や売電による収入が期待できますが、設置にかけた費用を回収できるとは限りません。初期費用の安さに注目して購入を決めた結果、製品の機能性が低く、保証制度も手厚くなかったため、費用回収できなかったケースもあるようです。まずは豊富な導入実績を持つ業者から、実績に基づいた数字によって算出された信頼性の高いシミュレーションを出してもらう事が重要です。詳細を説明せずに「安く売ります」と言う営業には注意が必要であると考えましょう。また、少しでも多く太陽光発電による恩恵を受けるためには、パワーコンディショナの変換効率や定格出力が最適なものを選び、太陽光パネルで発電した電力を効率よく利用する必要があります。
自宅に設置できる太陽光発電システムの規模で見込める発電量、売電収入であるなど、事前の見積もりが大切です。
太陽光発電システムを提供する業者の見極め方
太陽光発電システムを設置する際は、依頼する業者を見極めることも重要です。プランの内容や、提案からアフターケアまでのサポート体制などをチェックしましょう。契約先の選び方が太陽光発電導入の成功を左右することもあります。
効率のよい発電設備・電力消費プランを提案してくれる
太陽光発電システムの設置を相談したときに提案されるプランは、効率がよく現実的な発電設備と電力消費プランでしょうか。電力会社の電気を買い続けるよりもメリットがある内容かが重要です。
自社の売上を優先するのではなく、ユーザー目線に立った提案をしてくれるかをしっかりと見極めましょう。
トータルコーディネートでサポートしてくれる
太陽光発電システムは設置して終わりではありません。設置後、安定して稼働させていくためにはプロのサポートが必要です。そのため契約する業者は、プランの提案から施工、アフターサービスまでトータルで請け負ってくれるところがよいでしょう。
導入の検討段階から関係性を作ることができれば、目的や活用方法などを共有しながらスムーズなコミュニケーションが期待できます。太陽光発電システムは蓄電池との併用でさらなる省エネ効果が上がるものです。こうしたプラスアルファの提案ができる業者であれば、長期運用での問題点を克服していくうえでも強い味方となってくれるでしょう。
保証プランがしっかりしている
太陽光発電システムは、継続して安全に使用するためには点検やメンテナンスが必要になります。その際に役立つのが保証プランです。点検で見つかった不具合の修理やメンテナンスを無償で提供してもらえれば、ランニングコストが抑えられます。
充実した保証プランがある業者なら、初めての太陽光発電でも安心でしょう。保証適用の基準は契約前に確認しておくのがおすすめです。
リベラルソリューションの運用サポートは万全!
太陽光発電を導入したい理由や活用方法は家庭それぞれです。リベラルソリューションでは丁寧にコミュニケーションを重ねて関係性を作ることで、求められるもの以上の目に見えない価値も提案します。
シミュレーションは実行性の高い現実的なものの提供を徹底していますから、導入後に後悔するような不安も減らせるでしょう。また、Zoomミーティングを利用したオンライン面談システムにも対応中です。オンラインでも丁寧な提案で満足のいくサポートを行っています。
太陽光発電システムの設置後は機器点検や出力チェック、パネルクリーニングなどのアフターサポートを継続して提供しているだけでなく、火災や自然災害による機器の損害は損害保険金支払いの保証対象としており、万が一の事態にも安心です。
まとめ
太陽光発電にとって重要な役割を持つパワーコンディショナは、スペックや価格、保証などを比較しながら選択しましょう。導入にあたってはシステムの規模を事前に見積もることや、信頼できる業者を選ぶこともポイントです。
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