【2023年版】太陽光発電は今から導入しても大丈夫?最新事情を解説

太陽光発電の余剰電力買取制度は2019年でスタートから10年を迎え、固定価格での買い取りが終了する人が多数出始める「2019年問題」なども取り沙汰されました。ひとつの区切りを越えた近年では、取り巻く環境や制度が変化しつつあります。

また、新たな太陽光発電の利用先も注目され、情報を日々アップデートしていくことの重要性がますます高まっていくことでしょう。

この記事では、2023年現在の太陽光発電事情についてわかりやすく解説するとともに、固定買取価格期間が順次満了する太陽光発電オーナーの方や、これから設置を検討されている方に向けた情報もご紹介します。

 

目次

近年の太陽光発電事情を見てみよう

太陽光発電を取り巻く環境は、2019年をひとつの契機としてはいるものの、年々変化しています。ここでは卒FITによる影響や固定買取価格の推移、その背景を解説しましょう。

2019年問題以降の太陽光発電

2009年の初導入から10年間の余剰電力買取制度(2012年以降はFIT:固定価格買取制度と改称)が2019年に満了となりました。余剰電力の今後の使い道の検討を迫られたこの「2019年問題」は、約50万世帯に影響を及ぼしました。

その後、2010年以降に導入した世帯も順次「卒FIT」を迎えることから、各世帯が初期投資を回収できているのか見直すとともに、卒FIT後の余剰電力の利用法についても検討しておく必要が出てきたのです。

売電価格は下降傾向

日本におけるFIT制度の買取価格は、年々安くなってきています。

FITの開始された2009年当初、売電価格は48円/kWhという単価でした。対して10年が経過した2019年以降の売電価格は、以下の表のように推移しています。

 

  2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
売電価格(円/kWh) 26 21 19 17 16
前年比 ▲2 ▲5 ▲2 ▲2 ▲1

 

売電価格はFITの開始後から年々下降を続け、「2019年問題」当時には当初比で1/2をわずかに上回っていた価格が、2023年には16円/kWhと、2009年の1/3まで下がっています。また、これはあくまでFIT適用中の価格であり、もし卒FITのタイミングで放っておけば、各エリアの最低水準に近い買取価格となってしまうという問題もあります。

売電先の電力会社選びやプラン変更によってある程度対処可能とはいえ、適用期間中の売電価格と比べてしまい、オーナーの皆さんが危機感を覚えてしまうのもうなずける話です。

しかしながら、これから導入を検討している皆さんにとっては、投資金額の回収という観点からみれば一概に悪い話ではありません。

設置費用も下がってきている

太陽光発電の売電価格下落の背景には、設置費用が安くなってきていることが挙げられます。

これはそもそも、FIT制度の前提として「初期投資を10年で回収できる価格をひとつの目安とする」意味合いがあるためです。つまり、パネルの技術革新や設置企業の企業努力によって、設置費用が少なくなればなるほど、固定価格も下がっていくということになります。

また誰もが実感しているように、普段から利用する電気料金はここ数年で一気に高騰しています。つまり売電価格こそ下がっているものの、初期投資のスリム化で導入しやすくなったうえ、太陽光発電による電気を自家利用するメリットが相対的に大きくなってきているのです。

卒FIT後の選択肢

FITが終了してから実践できる選択肢は、そのまま売電を続けることだけではありません。お得な生活を実現する方法もあるため、ライフスタイルに合った道を選びましょう。買取期間終了に備えて把握しておきたい2パターンの活用方法をご紹介します。

 

売電先を変更する

売電先を変更することで売価を上昇させる方法があります。全国各地の小売電気事業者が電力買取サービスを展開しているので、リサーチしてみましょう。

契約内容は会社によって異なります。金額も変動するため、可能な限り高額で売却できる会社を選ぶのがおすすめです。売電収入以外の付加価値を求めてもよいでしょう。

電力会社によって対応している地域が限られています。また、同じ電力会社でも契約内容によって売電価格が変わる場合もあるので、比較検討してみるのがおすすめです。

自家消費をする

最も効率よく太陽光発電設備を活用できる選択肢は、蓄電池を導入するなどして家庭用の電力として使用することです。電力会社から購入する量を減らし、自家消費ができると月々の出費を節約する結果にもつながります。 

普段夜間に行っている家事や作業を日中に変更するのも有益な方法です。発電している時間帯に電力を使って自家消費量をアップします。買取期間終了後は、売電よりも消費を重視したほうがお得に感じやすいといえるでしょう。

特に2023年現在のような電力価格の高騰が進む世界情勢の下では、自家消費によるメリットがいっそう強調されるため、蓄電池を設置する意義も大きくなっています。

今からでも遅くない!太陽光発電を導入するメリット

「電力の価値は下がっていく一方……」と考える方もいるかもしれませんが、これからの導入でも遅くはありません。電気を節約して経済的負担を軽減するだけでなく、災害時の停電対策にも効果的です。太陽光発電の魅力を理解して、導入について判断してみましょう。6つのメリットについてそれぞれご紹介します。

発電効率がよくなり、少ないパネルでも発電可能

太陽光発電といえば、広大な敷地に広がるいわゆる「野立て」や、大きな屋根に取り付ける産業用の設備をイメージする方もいるでしょう。家庭用太陽光発電に最適な太陽光パネルは設置場所によりさまざまですが、パネル単位の発電効率が向上した近年では、ある程度小さな屋根でも十分な設備を整えられます。

太陽が当たりやすい設置条件であれば、屋根が多少小さかったり、形が四角形でなかったりしても設置メリットがあるでしょう。設置パネルの数を少なくすれば導入コストも抑えられるため、以前より導入しやすくなっているといえます。限られた場所で効率的に発電できる点は、技術が発展した今だからこそ享受できる利点です。

節約と売電収入で経済的メリットが大きい

運用を始めた後の金銭面でのメリットは2つあげられます。電力を売ることによる収入と、自家消費による節約効果です。日常的に実感しやすいポイントともいえるでしょう。

導入から10年間は、国が定めた金額で売電できます。発電中は家庭でも利用できるため、節約しながら売電収入を得られる仕組みです。買い取り期間が終了したあとは単価が下がることが予想されます。自家消費をメインの目的に切り替えると経済的なメリットを継続して実感できるでしょう。

また、再生エネルギー賦課金についても節減効果が大きいため、これも副次的な経済メリットのひとつといえます。

蓄電池があれば夜でも使用可能

「発電した電力はなるべく自家消費したい」と考える方は、蓄電設備の導入を検討するのもひとつの方法です。日中発電した電力を蓄えることで、太陽光を活用できない時間帯も買電することなく自家消費できます。売電の単価が下がってもお得感を持続できる方法です。

天候の影響を受けにくくなることも、蓄電池がもつメリットといえます。昼間、外出が多い家庭は、さらに大きな効果に期待大です。太陽光発電と相性のよい機器を設置できると、10年以上経過しても快適な生活を続けられるでしょう。

ただし注意点として、蓄電池の素材であるリチウムやコバルトといった重金属類は、世界的に需要の高まるEVカー・ハイブリッドカーの燃料電池にも多く利用されています。

そのため、手の届きやすくなっている太陽光パネルとは逆に、蓄電池については原材料不足によるコスト高騰も危ぶまれるのです。導入タイミングを逃さないよう、早めに比較検討しておく必要があるでしょう。

災害時も安心

通常、停電が発生すると家庭用の電気は使用できません。太陽光発電では設備自体に非常用コンセントが備わっているため、いざというときの電力消費に活用できます。蓄電池を設置している家庭であれば、このような事態でも昼夜を問わず電力を使えるため、非常時でも電力を使った生活の維持が可能です。

蓄電池の容量は機器によって異なるため、使用する家電が多い、または居住人数の多い家庭では、容量の大きい蓄電池を選ぶとよいでしょう。万が一のトラブルにも余裕を持って対応できるという安心感が得られます。

寿命は30年もあり壊れにくい

太陽光発電に適用される法定耐用年数は17年です(2023年6月現在)。とはいえこの数字は、あくまでも法律上の取り扱いであり、実際には30年以上活用できるといわれています。FITによる買取期間が終了したあとも長期的に使い続けられると考えてよいでしょう。

カタログスペック通りかそれ以上の寿命を実現するには、定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。雨風で故障するリスクは低いものの、メーカーが推奨する頻度でのチェックが最低限、必要になると考えておきましょう。メンテナンス費用・修理費用ともに導入前に確認する必要があります。

導入前に試算した本体価格やランニングコストが低くても、定期点検・メンテナンスを怠ったことにより、結果的にコストが嵩む事例もあります。専門的な知識を持つ業者に相談することがベストな選択といえるでしょう。

環境に優しい

太陽光発電は、環境に悪影響を及ぼさないエネルギーシステムです。発電や電力供給のプロセスで有害物質を出す要素がないため、世界中で需要が高まっている設備でもあります。

このようなエネルギーを「再生可能エネルギー」といいますが、太陽光発電は一般家庭が気軽に取り組みやすい方法ともいえるでしょう。節約効果だけでなく、環境に配慮した設備を導入したい方にも魅力的な選択肢です。

太陽光発電の設置は長く付き合うことを考えて導入しよう

太陽光発電の設備を整える際には、設備設置費用が回収できるかどうかが気になるところでしょう。太陽光発電設備は近年、性能が向上しているだけでなく導入コストも下がってきており、加えて耐久年数も長いため、導入予算をあまり気にする必要はありません。2023年現在でもFITによる固定買取制度が整っているため、導入費用は回収できると考えてよいでしょう。

設備導入にあたり、最も気をつけなければならないことは長期的な維持管理についてです。長期的に使用するには定期的な点検、メンテナンスが行えるかが重要になってきます。しかし、太陽光発電設備のメンテナンスはプロに任せなければなりません。導入の際の設置業者の選定は長期的な付き合いを考慮に入れて行いましょう。

まとめ

太陽光発電における2019年問題は、2023年を迎えた現在でも取り上げられることのある話題です。一定期間内に導入した方は配慮が必要ですが、今後設置を考えている方はそれほど気にしなくてもよいでしょう。

10年後もお得で満足な節約を続けるためには、買い取り期間終了後の選択肢を見極めなければなりません。少しでも有益な方法を選ぶのであれば、太陽光発電だけでなく蓄電池との併用もおすすめです。太陽光発電と蓄電池をセットで導入できるプランのご用意もあるほか、蓄電池導入によって値上がりを続けている再エネ賦課金を月々支払う必要がなくなり、電気代を抑えることができます。リベラルソリューションでは、正確なシミュレーションを教育されたスタッフがわかりやすくご説明します。設備導入を予定している方や疑問を抱えている方は、ぜひこの機会にお問い合わせください。

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