電気代の節約や緊急時の非常用電源として役立つ住宅用太陽光発電ですが、ブレーカーが落ちて困っている方もいるのではないでしょうか。ブレーカーが落ちる理由は多岐にわたるため、原因が分からずに困っている方もいるかもしれません。
そこでこの記事では、太陽光発電のブレーカーが落ちる原因と対策、ブレーカーの選定方法を解説します。太陽光発電のブレーカーの仕組みを理解し、落ちたときの対処法を知っておけば、もしものときも安心です。
太陽光発電のブレーカーの仕組みや役割は?
太陽光発電は電気を扱う機器なので、電流の管理は重要な課題のひとつです。ブレーカーは漏電や過電流を防止する役割があり、安全に太陽光発電を運用する上で不可欠な要素といえるでしょう。ここでは、ブレーカーの仕組みや種類を分かりやすく解説します。
太陽光発電には専用のブレーカーが必要となる
太陽光発電を運用する際は、専用のブレーカーが必須です。太陽光発電で生成された電力は直流のため、接続箱とパワーコンディショナを介して、家電に対応した交流電流に変換する必要があります。
交流電流に変換された電力は、分電盤で住宅内や電気会社の電力網へ送電されるのが一連の流れです。ブレーカーは分電盤のボックス内に配置されており、問題を検知したときに電気を遮断する役割があります。
太陽光発電のブレーカーは3種類ある
太陽光発電にはアンペアブレーカー、漏電遮断器、配線用遮断器3種類のブレーカーがあり、それぞれ仕組みが異なります。アンペアブレーカーは一度に想定以上の電力が流れたときに自動で電気を遮断する仕組みです。過電流による故障や事故を防いでくれます。
漏電遮断器は、電力が流れてはいけない部分に流れてしまう漏電を防ぐためのブレーカーです。漏電を検知した際にブレーカーを落とし、家屋全体の電気を停止させます。配線遮断器の役割は電気を送る回路に過負荷がかからないように保護することです。
太陽光発電のブレーカーが落ちる原因は主に3つ
太陽光発電のブレーカーが落ちる原因はさまざまありますが、原因は大きく3種類に分けられます。設備の相性や設置している環境など原因は広範囲にわたるので、ひとつずつ切り分けて原因を究明しましょう。
電気の容量が合わない
ブレーカーが落ちる原因のひとつとして、電気容量に問題があるケースがあります。太陽光発電は使用可能な容量が機種ごとに定められており、同時に規定以上の電力を使用すると、過電流を防ぐためにアンペアブレーカーが作動して電力を遮断するためです。
また、太陽光発電のブレーカーの容量を上回る電流がパワーコンディショナから供給されると、ブレーカーが落ちるので注意しましょう。設備の容量以上の電気を扱うのは不具合の原因になります。
太陽光発電システムが漏電している
太陽光発電システムに漏電が発生していると、漏電遮断器が作動してブレーカーが落ちる可能性があります。漏電は何らかの理由で電気が漏れ出している状態で、電気火災や感電事故の原因になる不具合です。
漏電が発生する原因は多岐にわたるため一概にはいえません。電気が止まるからと漏電遮断器を切っても根本的な解決にはならないので、漏電が原因で頻繁にブレーカーが落ちるようであれば、施工業者やメーカーに相談しましょう。
高温多湿になっている
設備内の温度が高いと、誤作動でブレーカーが落ちる可能性があります。湿度が高い状態も漏電のリスクが高まるため、高温多湿な環境は太陽光発電の設置に不向きといえるでしょう。
特に屋外にあるブレーカーは直射日光を浴びると温度が上がりやすく、季節によってはブレーカーの誤作動を招きやすくなります。場所によっては湿気が高くなりやすいこともあるので、設置場所に気を使うことも大事です。
太陽光発電のブレーカーが落ちたときの対処方法
ブレーカーが落ちたときは、ブレーカーを戻せば解決するわけではありません。原因となった状況に合わせた適切な対処が必要です。ここでは、太陽光発電のブレーカーが落ちたときの対処方法を解説します。いざというときに落ち着いて行動できるように、対処方法を把握しておきましょう。
安易にブレーカーを戻さない
ブレーカーが落ちたら戻せば解決すると思っている方もいるかもしれませんが、安直にブレーカーを戻すのは適切な対処とは言えません。ブレーカーが落ちたということは設備に不具合があることを意味しているため、原因が解決しないまま復旧すると機器の故障を招く可能性があります。
ブレーカーが落ちたら、まずは落ち着いて機器の状態を把握することが大切です。その後正しい手順で復旧することを心掛けましょう。
順番を守ってブレーカーを戻す
ブレーカーが落ちた状態から復旧するには、手順を守って適切な対処をすることが大事です。まずは、アンペアブレーカー、漏電遮断器、配線用遮断器のスイッチをオフにして、コンセントからプラグを抜きましょう。続いてブレーカーを戻しますが、戻す際のブレーカーの順番が大事です。
1.アンペアブレーカー
2.漏電遮断器
3.配線用遮断器
以上の順番でスイッチを戻すことを忘れないようにしましょう。スイッチを戻したら、最後にプラグを挿せばシステムが復旧します。
太陽光発電のブレーカーが落ちないようにする3つの対策方法
ブレーカーが落ちたときの対処方法も重要ですが、ベストなのはブレーカーが落ちないように環境を整えることです。何度も落ちる場合は設備に不具合が発生しているリスクがあります。以下で、太陽光発電のブレーカーが落ちないようにする対策方法を確認しましょう。
ブレーカーが落ちる時間帯を確認する
特定の時間に集中して落ちる場合は、電力の使い過ぎで容量オーバーを起こしているかもしれません。朝方や夜などの人が集まって活動的になる時間帯は、電力の需要が集中して使用過多になりやすくなります。
家族が使用するタイミングをずらす、消費電力が大きい家電は同時に使用しない、といったことを意識しましょう。この方法で不便を感じるようなら、設備の容量をアップさせることを検討するのも解決方法のひとつです。
直射日光を避ける
ブレーカーが屋外にある場合は、直射日光を避けることで改善される可能性があります。設備の温度が上昇するとブレーカーが誤作動を起こすことがあるためです。日陰になるように屋根などを作ると温度の上昇を防ぐのに役立ちます。
同様に、湿度が高くならないように工夫することも大切です。水気があるものは近くに置かないことを心掛け、風通しが良くなるように対策しましょう。
プロの業者に相談する
ブレーカーが落ちる原因が分からないときや、対策しても改善されないときは、太陽光発電の専門家であるプロの業者に相談しましょう。利用者にできることには限度があり、設備に故障などがあった場合は対処できません。設備をメンテナンスするには、資格や技術を持つプロの助力が必要です。
頻繁にブレーカーが落ちるのに原因が分からないときも、なるべく早くプロに相談しましょう。不調をごまかしながら使って原因を放置すると、さらに悪化して修理費が高額になる可能性もあります。
太陽光発電のブレーカー選定のポイント
太陽光発電を快適に使用するには、適切なブレーカーを選ぶことが大切です。アンペアトリップの数値が小さいとブレーカーが落ちやすく、電気の使い方を配慮しなくてはならなくなるため、ストレスを感じる方もいるでしょう。
しかし、容量が大き過ぎるものを選ぶとブレーカーとしての適切な役割を果たせなくなり、火災や故障の原因になる可能性があります。不必要に容量が大きいブレーカーは基本料金も高いので、出費が無駄になるのも懸念点です。
適切なアンペアトリップを把握するには、現在の電流値を把握することが重要です。アンペアトリップの目安は、電流値の1.2倍~1.5倍程度とされています。将来的な拡張性を確保したい場合は、もう少し大きくすると不安なく消費電力が大きい家電を追加できるでしょう。
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まとめ
ブレーカーが落ちる原因は、電気の容量不足や漏電、温度・湿度といった外的な要因などさまざまです。ブレーカーを戻しただけでは根本的な解決にはならないので、原因に合った適切な対策を講じる必要があります。
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