ソーラーパネルは太陽光発電システムの核となるパーツであり、最近では街中で住宅の屋根に設置してある姿をよく見かけるようになりました。青い色をしていたり、黒っぽかったり、四角と三角が組み合わされていたりと見た目もさまざまで、ソーラーパネルはどういう仕組みを持った発電装置なのか興味がある方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ソーラーパネルの概要から発電する仕組み、発電量、導入するメリット・デメリットなど、ソーラーパネルの基本を分かりやすく解説します。ソーラーパネルの基礎知識を得れば、家庭での導入の検討の余地があるか判断しやすくなるでしょう。
ソーラーパネルとは
ソーラーパネルは、太陽光で発電を行うためのパネル状の設備のことを指します。太陽光パネルや太陽電池板、太陽電池モジュールなど呼ばれ方はさまざまです。大型の産業用のものから家庭用の小型なものまで、用途に応じてさまざまな製品が登場しています。
一般的に街や郊外でよく見るソーラーパネルは、小さな太陽電池を複数集めアルミ枠などに入れて大きなパネル状にされた製品です。太陽が発する光エネルギーがソーラーパネルに当たると発電が起きます。
次に、ソーラーパネルの構成についても併せて確認しておきましょう。
・セル
ソーラーパネルを構成する、最も基本的な単位がセルです。1枚のセルの大きさは約10cm四方で、このセルが組み合わさってソーラーパネルができています。
・モジュール
セルを複数枚配列して、板状に加工したものがモジュールです。屋外で利用できるよう、樹脂や強化ガラスなどで保護されています。
・アレイ
モジュールを複数枚並べ、並列あるいは直列に結線したものがアレイです。住宅用では、屋根に架台などを使って屋根に設置したパネル全体のことを指します。
また、ソーラーパネルには素材別に3つの種類があります。
・シリコン系
ソーラーパネルのなかで、最も一般的なのがシリコン系です。そして、シリコン系のソーラーパネルは、単結晶タイプ、多結晶タイプ、アモルファスシリコン、HIT(ヘテロ接合型)の4つに分類されます。このうち日本の家庭用設備として現在主流となっているのは単結晶シリコンです。
・化合物系
銅やインジウムなどの物質を混ぜ合わせて作られたソーラーパネルは化合物系と呼ばれます。化合物系は、シリコンを使用していないため低コストかつ省資源で量産でき、経年劣化も少ないのが特徴です。
・有機系
有機系は、有機半導体のpn接合を利用した光起電力効果にて電気を生成します。薄く軽量で自由に曲げることが可能で、ソーラーパネルそのものに着色できる、製造するコストが安いといった点がメリットです。ただ、有機系に関しては実用化されておらず、住宅用にはまだ使われていません。
ソーラーパネルが発電する仕組み
ソーラーパネルを構成する太陽電池は、シリコンなどの半導体でできています。半導体に太陽の光が当たると、日射強度に応じて光エネルギーを電気エネルギーに変換します。一般的なシリコン系太陽電池は、特性の異なるn型半導体とp型半導体という、導線によって結ばれた2種類の半導体が張り合わされているつくりです。
太陽光が半導体に当たると、n型半導体のほうにマイナスの電子、p型半導体のほうにプラスの正孔が集まります。これで乾電池と同じ状態になるので、2つの電極に導線をつなげば電子が正孔のほうへ移動して電気が流れます。
この時に発生する電力を光起電力と呼び、この仕組みを「光起電力効果」といいます。これがソーラーパネルで太陽光発電を行う原理です。
住宅用と産業用の違い
太陽光発電には住宅用と産業用があります。太陽光発電システムを運用する際には国に認定申請を行わなければなりません。認定にはいくつかの種類があり、出力(発電能力)が10kW未満のものが住宅用、出力が10kW以上で全量買取を行う設備が産業用です。認定の種類によって固定買取価格制度の価格設定が異なるだけでなく、運用の際の事業者の義務も異なってきます。
設備面から見ると大きく異なる点は発電量の大きさといえるでしょう。発電量が大きくなればなるほどソーラーパネルの使用枚数は増えます。
住宅用として多く利用されているソーラーパネルはシリコン系の単結晶パネルです。単結晶パネルは変換効率が高く、枚数を多く設置できない住宅屋根用に向いています。
一方、産業用として主流となっているのが多結晶パネルです。太陽光発電が住宅用として導入され始めた際には、住宅用でも主流でした。単結晶の当時の問題点は製造コストの高さでしたが、それも徐々に改善し現在住宅用は単結晶が主流になっています。しかし、多くのパネルを使用する産業用の場合、導入コストに差が出やすいことから依然多結晶パネルが人気です。
ソーラーパネルの発電量
ソーラーパネルの発電量はさまざまな要素によって決まりますが、ここでは発電量の指標である変換効率と発電量の単位について解説します。住宅用太陽光発電設備では、1枚単位の変換効率の違いはどれを導入するかを決める大きな要因ともなるでしょう。
また、住宅用ソーラーパネルでどれくらいの発電ができるのか、自家消費分をまかなうことはできるかといった点についても解説します。
変換効率
変換効率はソーラーパネルに照射された太陽光エネルギーのうち、どの程度を電気エネルギーに変換できるかを表しています。基本的には変換効率の良いソーラーパネルほど、性能も高いとされており、性能が高いソーラーパネルのほうが、同じ条件下であってもより多くの電気を発電することが可能です。
変換効率を表す方法には「モジュール変換効率」と「セル変換効率」の2つがあります。
・モジュール変換効率
モジュール変換効率は、ソーラーパネルの性能を表す一般的な指標として用いられます。1㎡あたりのソーラーパネルの変換効率を表す指標で、算出するための計算式は以下の通りです。
モジュール変換効率(%)=(モジュール公称最大出力(W)×100)÷(モジュール面積(㎡)×1000(W/㎡))
・セル変換効率
セル変換効率は、ソーラーパネルの最小単位であるセルあたりの変換効率を表す指標です。セル変換効率の算出方法は、次の計算式を用います。
セル変換効率(%)=出力電気エネルギー÷太陽光エネルギー×100
変換効率はソーラーパネルに照射された太陽光エネルギーのうち、どの程度を電気エネルギーに変換できるかを表しています。基本的には変換効率の良いソーラーパネルほど、性能も高いとされており、性能が高いソーラーパネルのほうが、同じ条件下であってもより多くの電気を発電することが可能です。
発電量の単位
太陽光発電設備の説明でよく用いられる単位には「kW」と「kWh」があります。2つとも電力量を示す単位ですが、時間的要素があるかなしかに違いがあると考えましょう。主に設備の能力を示す方法にはkWが用いられます。
・kW:ソーラーパネルが瞬間的に出力する発電能力を表す
・kWh:ソーラーパネルが1時間あたりどの程度発電できるかを示す
住宅用ソーラーパネルの発電量
ソーラーパネルで発電される年間の発電量は、年間のうち平均でおよそ13%の発電が見込まれています。この割合は、設備利用率と言われ、実際の発電量が、発電設備が100%の出力で稼働していた場合の発電量の何%に当たるかを示すものです。
つまり、1kWのソーラーパネルでは、年間の発電量は「1kW×24時間×365日×13%=約1,138kWh」ということになります。
一般家庭の年間消費電力は平均で約3,600kWhなので、4kWのソーラーパネルを設置すれば「1,138kWh×4=4,552kWh」となり、計算上は自家消費分をまかなえ、余剰電力を売電できる可能性が高いでしょう。
実際には設置する地域、立地、ソーラーパネルの性能などのさまざまな条件によって発電量は異なりますが、1つの目安として参考にしてください。
ソーラーパネルの導入コスト、発電量、自家消費量、売電価格、電気料金などを考慮し、自宅にはどのくらいの大きさのソーラーパネルが適当かを検討しましょう。
ソーラーパネル導入のメリット
ソーラーパネルの仕組みや能力の見分け方の知識を得たところで、太陽光発電導入についても考えてみましょう。実際に導入すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは代表的な7つのメリットを解説します。
光熱費を削減できる
ソーラーパネルで発電した電気を自家消費すれば、その分、電力会社から購入しなくなるので電気代を削減することができます。また、モニターで発電量と消費電力量が確認でき、余った電気を売ることもできるので、節電意識が高まり、電気使用量が減るという効果も期待できるでしょう。
さらに住宅をオール電化にすれば、これまでガスを使っていた部分も、発電した電気で賄えるようになり、ガス代の削減にもつながります。
クリーンなエネルギーなので、地球環境の保護に貢献できる
太陽光発電によって生まれるエネルギーは、資源の枯渇を懸念することなく繰り返し用いることができる再生可能エネルギーです。再生可能エネルギーには風力発電、バイオマス発電なども ありますが、日本では特に太陽光発電の導入が進んでいます。
ソーラーパネルは発電時にCO2を排出しない点も忘れてはなりません。CO2は地球温暖化の原因のひとつであり、世界各国にて排出量の削減が必要とされています。パリ協定では具体的な削減目標が提示されており、再生可能エネルギーの活用は世界的に注目されているといえるでしょう。太陽光発電は家庭単位でも取り入れられる、世界規模の環境問題解決への貢献です。
災害時や停電時に使用できる
度重なる災害の発生とそれに伴う停電によって、災害時の住宅用太陽光発電の重要性が注目を集めています。国でも活用の実態調査を行うなどして、住宅用太陽光発電や蓄電池の導入を推し進めている現状です。
住宅用太陽光発電設備では停電時、自立運転専用コンセントからの電力消費に切り替えることが可能です。これにより、日中にソーラーパネルで発電している電気を自宅の電気製品に使うことができます。
余った電気は売却できる
住宅用太陽光発電の場合、ソーラーパネルで発電して自家消費分以外の余ったエネルギーは余剰売電といって電力会社に売却が可能です。発電した電力の自家消費で月々の電気料金を削減できるとともに、さらに余剰売電による売電収入が毎月得られます。
太陽光発電システムで発電した電力を電力会社に売電する場合、新規設置後の一定期間固定価格で売電ができる仕組みが「固定価格買取制度(FIT制度)」です。現在、10kW未満の住宅用のソーラーパネルであれば10年間、10kW以上の産業用のソーラーパネルであれば20年間の固定価格での買取が義務付けられています。住宅用の場合(10kW未満)、2023年度は16円です。
また、固定価格買取期間が満了した後も電力の買取を発表している複数の電力会社から売電先を選び、余った電気を売電し続けられます。ソーラーパネルの耐久性は非常に高く長い期間売電収入を得ることができることからも、ソーラーパネルの設置は経済的効果が高いといえるでしょう。
長寿命で保守管理も簡単
ソーラーパネルは故障が少ない装置です。耐用年数としても、30年以上使用が可能です。実際に、設置から30年以上たった後も一定の性能を維持しているという事例もあります。
さらに、最近のソーラーパネルは、防汚や防埃などの汚れがある程度事前に想定されており、埃や汚れが付きにくいように工夫されています。定期点検の実施は必要ですが、日常的なメンテナンスは必要ないと考えてよいでしょう。
さまざまな場所へ設置が可能
ソーラーパネルを設置できる場所は実に多様です。住宅屋根が代表的ですが、地面や水面・工場や倉庫などの大きな建物の屋根、駐車スペースなどのカーポート屋根などにも設置可能です。遊休地を活用して売電収入を得ようとする企業や自治体もあり、土地の活用方法としても注目されているといえるでしょう。
中には、農地にソーラーパネルを設置して、その下で、日射量をあまり必要としない作物を栽培するソーラーシェアリングを行っている場合もあります。
太陽光発電ユーザー専用の電気料金プラン
売電先から電気を購入することで、電気料金の単価が安くなるプランなど、太陽光発電ユーザー専用の電気料金プランを選べば、さらに電気料金はお得になります。
ソーラーパネルを設置するにあたっては、自宅に合った電気料金プランも合わせて選択し、そのメリットを最大限に活かしましょう。
ソーラーパネル導入のデメリット
ソーラーパネルなどの太陽光発電の設置には住宅用の小規模なものでも十分な魅力があります。しかし、導入や維持にはコストがかかることや発電量は天候次第であるなど、不安材料が出てくるのも事実です。ここでは、ソーラーパネル導入のデメリットも確認しておきましょう。
導入コストがかかる
ソーラーパネルを導入するには、初期費用として一定のコストがかかります。導入の際のソーラーパネルの設置枚数や環境、メーカーなどの条件によってさまざまですが、一般的には100万円~300万円ほどの費用が必要です。
ただし、日常的にかかる電気代が削減できること、売電できること、災害時に備えられることを考えれば、十分有用な「投資」であると考えられるでしょう。
メンテナンスコストがかかる
導入コストだけではなく、ランニングコスト、メンテナンスコストもかかることを忘れてはいけません。
パワーコンディショナなどの電気機器にはメンテナンスが必要となる場合があります。ただし、損害保険で修理費用をカバーしたり、メーカー保証でカバーできたりするケースもあるでしょう。
さらに、パワーコンディショナは15年前後で交換が必要となります。また、定期点検を行うことも推奨されていますので、ランニングコストも見込んでおいたほうがよいでしょう。
発電量は天気に左右される
ソーラーパネルでの発電は、日射量に応じて発電量が決まるため、雨や曇りの日、積雪時など天候が悪い日には、発電量が落ちてしまいます。また、気温が高くなる真夏には日射量に対して熱の影響で効率が落ちるため発電量が少ないこともあります。このように、ある程度日々の天気に左右されてしまう点は留意しておきましょう。
実績豊富な会社に相談することで、できるだけ日射量を確保できる方角、家庭の電力消費に見合う出力量を得られるソーラーパネルを設置し、発電量を最大化、効率化することが可能です。
ソーラーパネル導入なら、リベラルソリューションがおすすめ!
太陽光発電システムは、クリーンなエネルギーを発電して余った電気は売却でき、環境面も経済的にも優れた仕組みです。ソーラーパネルの耐用年数は非常に長く、一度ソーラーパネルを導入すれば長期にわたって使用できます。しかし、長期に運用するシステムであるからこそ、導入を依頼する業者選びは慎重に行わなければなりません。
リベラルソリューションは多くの実績を持ち、豊富な経験があります。全国で支社展開する業界大手でもあり、お近くの支社にお問い合わせいただけます。
また、営業スタッフ、施工スタッフ共に徹底教育された人材がそろっており、信頼できる質の高いサービスを提供しています。このため、太陽光発電導入で重要なシミュレーションにおいても現実により近いデータを示すことが可能です。導入後もランニングコストが下ずれを起こしづらいでしょう。
ソーラーパネル導入後は遠隔監視やメンテナンスなどの充実したサポートを実施します。さまざまなトラブルに対応できるモジュール20年保証や機器10年保証といった充実した保証サービスもご利用いただけるため、万が一のときでも安心です。
まとめ
ソーラーパネルは太陽光エネルギーを電気エネルギーに変える太陽電池です。耐久性にも優れており、長期的に電力を得られることから住宅での導入にはメリットが多いといえるでしょう。
ソーラーパネルをはじめとする太陽光発電システムを導入すれば環境問題にも貢献でき、停電時でも有効に電気を使えます。
ソーラーパネルの導入をご検討の方はぜひリベラルソリューションまでご相談ください。実績に基づくさまざまな知識をもってシミュレーションを計るため、ご家庭のニーズに合った導入プランのご提案が可能です。ささいな疑問から具体的な相談まで、経験豊富な社員が丁寧にご対応いたします。