売電スタートはいつから?太陽光発電システム完成までの流れと売電単価

太陽光発電で得た電力を売電するには所定の手続きが必要です。これからシステムの導入を検討している場合、いつから売電をスタートできるか分からない方は多いのではないでしょうか。売電開始のタイミングやスケジュールを知っていれば、余裕をもって手続きを進められるでしょう。

 

そこでこの記事では、売電に必要な手続きや開始までの流れを紹介します。併せていずれ迎える卒FITに向けて、その際に必要な手続きも確認しましょう。

 

目次

太陽光発電の売電に必要な手続きと受理までの期間

太陽光発電システムさえ完成すれば、すぐに売電をスタートできるわけではありません。必要な手続きを済ませ、受理されるまでには一定の期間がかかるからです。ここでは、住宅用太陽光発電(出力10kW未満)を導入する場合の流れを解説します。

 

電力会社への申請手続き

まずは、系統連系申請の手続きが必要です。住宅用太陽光発電で売電する場合、導入直後から10年間、固定価格買取制度を利用します。そのため、買電義務のある管轄の電力会社に売電認可を求めなければなりません。

 

必要書類を準備し、オンラインまたは郵送で書類を提出します。問題なければ、電力受給契約が締結される流れです。

 

申請を受けると、電力会社はその住宅から買電するための環境を整備します。併せて、申請された太陽光発電設備の安全性や供給バランスも確認しなければいけません。電力の需給バランスはその地域全体に影響するため、慎重に手続きが進められます。

 

経済産業省への申請手続き

住宅用太陽光発電でも、事業計画認定申請の手続きも必要です。申請先は経済産業省となり、オンラインで申請します。売電スタートにあたり、固定価格買取制度適用のための認可を得るのが目的です。必要書類を以下にまとめました。出力が10kW以上の場合、必要書類は異なります。

書類はオンライン上で添付ファイルとして送信可能です。系統連系申請と事業計画認定申請が受理されるまでには、1か月~3か月かかります。

 

売電が開始されるまでの全体スケジュール

太陽光発電システムの完成に合わせて売電をスタートしたい場合は、スケジュールを調整して手続きを進めましょう。スムーズに進まなければ、スタート時期が遅れてしまうかもしれません。手続き完了には早ければ1か月半、長ければ数か月かかります。これを念頭に入れながら、全体スケジュールを確認しましょう。

 

現地調査と設置プラン

まずは、導入予定の家の屋根に太陽光発電システムが設置できるかを中心に調査を進めます。希望の容量を全てのケースで設置できるものではありません。家の構造、屋根の形など要件を満たせる規模、機器を決めます。この工程はおおよそ2週間~1か月です。

 

どれくらいの発電量が見込めるのか、規模はどうするかもシミュレーションを重ねながら計画を立てます。併せて、売電収入の予測も確認しておきましょう。

 

見積書の確認と支払い計画

続いて2週間~1か月ほどかけて、業者から出してもらった見積書を確認したり支払いに対するプランを練ったりしましょう。

 

見積書の金額に納得できれば業者と契約し、活用できる補助金があれば申請手続きも進めましょう。スムーズに手続きを進めるためには、事前に申請時の流れを把握し、必要書類にきちんと目を通しておくのがおすすめです。

 

多くの設置業者では補助金申請の代行を請け負っています。募集期間と稼働開始時期との兼ね合いなど、一般では見極めが難しいこともあるため、契約の前に代行が可能かどうかの確認を取るのがおすすめです。

 

電力会社・経産省への申請手続き

1か月~3か月かけて、申請手続きを進めます。売電するためには、余剰電力を買い取ってもらう電力会社と経済産業省に申請を出して、固定価格買取制度の適用認可を得ることが必要です。

 

以下に、申請手続きの詳細をまとめました。正式な売電価格は、手続きが完了してから決定します。

 

太陽光発電システムの設置工事

設置業者による工事にかかる期間は、着工から完成までトータルで1週間程度です。モジュール、パワーコンディショナ、関連機器の設置と配線接続が進められます。設置が完了したら動作確認を行い、問題がなければ工事完了です。

 

ただし、屋根の形状や階層、システムの内容、天候などの諸事情で工期は前後します。新築時に導入する場合は、住宅建築の工期との兼ね合いで設置工事の時期を決めることにも配慮が必要です。住宅建築業者と太陽光発電設置業者が異なる場合は特に注意しましょう。

 

系統連係(売電スタート)

太陽光発電システムの設置や必要な手続きが完了したら、設置業者と一緒に確認作業を進めて異常が見られなければ売電スタートです。売電収入は、通常の電気代引き落としとは別のタイミングで月ごとに振り込まれます。

 

2020年度の売電単価はkWhあたり21円

太陽光発電システムを導入してから10年間は、固定価格買取制度が適用されます。期間満了までは一定単価での売電が可能です。ここでは、固定価格買取制度とは何か、住宅用売電単価の推移、卒FITを迎える家庭がどれだけ増加するかを解説します。

 

固定価格買取制度はいつから始まった?

FIT制度とも呼ばれる固定価格買取制度(FIT)がスタートしたのは2012年7月でした。一定期間、国が保障する単価で電力会社に買い取ってもらえる制度です。それ以前は、余剰電力買取制度(2009年11月1日~2012年7月1日まで実施)がFIT制度に代わるものでした。

 

再生可能エネルギーの普及を目的として始まり、発電設備の設置にかかるコストの回収を図れるよう設計されています。

 

制度開始当初は、売電収入を目的とした導入も見られました。しかし、売電単価が以前ほど高くなくなった現在では、導入目的は自家消費へと変化しています。

 

住宅用売電単価の推移

2020年度のFIT制度で定める単価はエリアに関係なくkWhあたり21円です。以下に単価の推移をまとめています。住宅用(10kW未満)の場合、単価は税込です。消費税に変更があっても、単価は変わりません。

2020年度の単価は21円となっています。賢く太陽光発電システムを活用するには、自家消費をベースに考えるのがおすすめです。

 

電力の買取期間は10年

住宅用太陽光発電システム(出力10kW未満)で発電した電力は、10年間であれば最初に認定を受けた単価で売電が可能です。2009年からFIT制度の前身となる余剰電力買取制度はスタートしており、2019年以降は順次固定価格買取期間の満了を迎える家庭が出てきています。

 

卒FITとなった場合、2020年現在で売電単価は半額以下です。中には、売電収入が8割以上減少する家庭も見られます。卒FIT以降は自家消費をベースに電力の活用に努めるのが賢明だといえるでしょう。

 

2019年で累積53万件が卒FITを迎えています。2021年には累積100万件、2023年には累積165万件になることが予測されており、蓄電池導入などの自家消費シフトの動向を受けた卒FIT市場の活発化も見られる現状です。

 

卒FITへの準備はいつからはじめる?

卒FITを迎えると、これまで通りの売電収入は期待できません。少しでも高い単価で電力を買い取ってくれる電力会社探しを始める必要もあるでしょう。卒FITを迎える前に情報収集を始めておけば、慌てる必要もなくなります。いつから卒FITに向けて準備を始めるのがベストなのか確認しましょう。

 

早め早めの準備が吉と出る

FIT満了後は、どのように余剰電力を活用するか考えなければいけません。現在の売電契約を解除し、新たに契約を結ぶ場合はスケジュール管理を徹底しましょう。申込から移行まで日数がかかるため、早めに準備を始めます。

 

契約を結んでいない空白期間にも注意が必要です。この期間が生まれると余剰電力が発生しても、買い取ってくれる業者がいないことから無駄になってしまいます。損しないためにも、早めに情報収集して行動することが大切です。

 

卒FIT対応1.電力会社と再契約

卒FIT満了後もこれまで契約を結んでいた電力会社との契約を維持したい場合は、電力会社との間に再契約が必要です。その後は電力会社が設定している単価に沿って、余剰電力を買取ってもらうことになるでしょう。買取価格は満了前に比べると、安い設定になっていることがほとんどです。

 

電力会社によっては、手続きなしで買取契約を継続できるケースもあります。現在契約している電力会社を確認し、期間が満了したら再契約の手続きが必要か把握しておきましょう。

 

卒FIT対応2.新電力との新規契約

電力自由化にともなって、「新電力」と呼ばれる主要電気事業者以外の電力会社との新規契約も可能となりました。会社によって売電価格は異なるため、設定単価や条件、余剰電力量なども確認しながらプラン選びを進めましょう。少しでも電力を高く買い取ってくれる電力会社と契約すれば、余剰電力を賢く活用しながら売電収入を得られます。

 

通信会社、家電量販店、ガス会社など、さまざまな業者が電気事業への参入を果たしました。時間が許す限りいくつもの電力会社を比較・検討するとよいでしょう。

 

卒FIT対応3.蓄電池を導入する

光熱費の出費を少なくするためには蓄電池の導入がおすすめです。太陽光発電で生み出した余剰電力を蓄電池に貯めておくことで、電力会社からの買電量を最小限に抑えられます。太陽光発電設備と蓄電池の併用によるダブル発電機能を活用すれば、売電に回せる電力量を増やせるでしょう。

 

他にも、非常時の家庭用電源として活用できたり、自宅で電気自動車の充電ができたりとメリットも豊富です。全負荷型で大容量のものを導入していれば、災害による停電発生時でも普段と変わらない電力消費が可能になります。

 

既存の太陽光システムに蓄電池を組むときの申請の種類と流れ

すでに太陽光システムを導入している家庭でも、蓄電池を後付けすると大きな効果が得られます。ただし、所定の手続きが必要です。ここでは、必要な手続きの内容と手順の流れを紹介します。自家消費に向けてこれから蓄電池導入を検討している方は、ぜひ確認しておきましょう。

 

経産省への「変更認定申請」

太陽光発電システム導入の時には、電力会社への系統連系申請を済ませた後、固定価格買取制度の認定を得て売電するために、経済産業省へ事業計画認定の申請の手続きをします。

 

蓄電池を後付けするとなれば、その内容を変更しなければいけません。これが変更認定申請です。蓄電池の後付けは、項目としては「自家発電設備等の変更」に該当します。必要書類をそろえ、経済産業省や蓄電池の設置業者に問い合わせて申請の手続きを進めましょう。

 

申請の方法と必要書類

変更認定申請はオンラインでも可能です。方法を以下にまとめましたので、自身で申請する場合は参考にしてみてください。

 

1.「再生可能エネルギー電子申請」のWebサイトにアクセス

2.ログイン

3.マイページの認定設備タグで契約内容を検索

4.右下の変更認定申請をクリック

5.自家発電設備等の設置の有無で「有」を選択

6.種類を「蓄電池」と「蓄電池」に設定

7.区分計量の可否や設定位置を入力

 

必要書類は以下の通りです。

 

・配線図(標準配線図と異なる場合のみ)

・構造図(標準構造図と異なる場合のみ)

 

電力会社との契約内容の変更申請

電力会社へも接続契約に関する変更申請が必要です。蓄電池を後付けする際に必要な申請手続きは、電力会社によって違うため確認したほうがよいでしょう。この手続きは設置業者が代行して進めるのが一般的です。

 

手続きが進んでいるか心配な場合は、蓄電池の設置を依頼する業者へ、電力会社への変更申請を進めてもらうよう伝えるとよいでしょう。

 

補助金の申請

蓄電池の設置かかる費用の一部を補助金で補えることもあります。設置に合わせて利用できる補助金制度があるか確認しておきましょう。

2020年にも国の補助金制度がありましたが、今後継続するかは未定です。また、自治体が実施している制度では条件などが大きく異なるケースもあるため、条件に当てはまるかしっかり確認しなければなりません。補助金申請についても設置業者が代行を請け負うケースが多くありますので、契約時に相談するとよいでしょう。

 

スムーズな売電運営をスタートするために

太陽光発電システムを導入するときや蓄電池を後付けするときは、所定の手続きが必要です。卒FITを迎えれば、契約内容の見直しや余剰電力の活用方法を考えることになります。素人には分からないことも多く、スムーズに手続きが進まず悩んでしまうかもしれません。

 

スムーズに売電生活をスタートしたいとお考えなら、多くの実績があるリベラルソリューションへお任せください。太陽光発電システムの導入から蓄電池の後付けまで、ワンストップで対応可能です。FIT制度の申請を始め、補助金申請の代行も請け負っています。

 

まとめ

太陽光発電システムでスムーズに売電スタートするには、早めに情報収集して手続きする必要があります。手続きが完了するまでに、1か月半~3か月かかる点に気を付けましょう。卒FITを迎えてこれまでと違う業者と新たに契約を結ぶ場合は、空白期間が出ないようスケジュール管理することが大切です。

 

さまざまな手続きを自身でこなすのは難しいでしょう。多くの実績を持つリベラルソリューションであれば、安心して売電生活が始められます。

 

太陽光発電システムや蓄電池の導入にご興味があったら、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。Zoomを利用したオンラインでの面談や相談も可能です。

 

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