太陽光発電は10年で売電終了?FITの概要と10年終了後の対策まとめ

「太陽光発電パネルを自宅の屋根に設置すれば、電気代の節約になるし売電できるかも……」と考えている方は多いのではないでしょうか。一方で、「買い取り価格は下がっているようだし、固定価格買取制度(FIT)終了までに設置費用を回収できるかな……」との不安もあることでしょう。 

10年で卒FITを迎えた後の対応に関してはさまざまな対策が存在しています。固定買取期間の過ぎた太陽光発電の余剰電力の買い取りについても、FITに変わる多種多様なサービスが登場しています。正しい知識を得ていれば、これからでも太陽光発電をお得に利用することができるでしょう。

そこでこの記事ではFIT内容と、これから太陽光発電を設置するメリットはあるのかについて詳しく解説します。

目次

太陽光発電の固定価格買取制度(FIT)とは?

電力会社が10年間又は20年間の間、再生可能エネルギーで発電した電気を一定価格で買い取ることを固定価格買取制度(FIT)と言います。電気を買い取る費用の一部は再エネ賦課金として電気料金に加算される仕組みになっています。再生可能エネルギーの普及、拡大を目的とした制度であり、再生可能エネルギーによる電力を固定価格で買い取ることが電力会社に義務づけられています。

売電価格は低値に推移していますが、太陽光発電の導入費用も低下していることからFITを活用するメリットは未だに多くあります。

再生可能エネルギーを対象とした買取制度

FIT制度の対象になるのは太陽光発電、太陽熱利用などの再生可能エネルギーによって発電した電気です。FITは2012年7月に創設された制度で、買取価格を固定することで再生可能エネルギー発電事業への参入リスクを低減し、市場規模拡大を図ることが主な目的とされています。2009年から2012年まで実施されていた余剰電力買取制度に続く制度であり、国内における再生可能エネルギーの導入量増加につながる施策として実施が開始されました。

制度適用から10年の買取期間が設定

FIT制度における太陽光発電の買取期間(調達期間)は売却する電力量に応じて10年又は20年に設定されます。発電量が10kW未満だと10年、10kW以上だと20年になります。FIT制度の要件に従って発電した電気は基本的にすべて買取対象になりますが、発電量が50kW未満である場合は自家消費分を差し引いた余剰分が買取対象になる仕組みです。

買取期間が終了した後も電力会社への売電は継続できますが、買取期間中と比較して1kW辺りの売電価格は低下することが一般的です。再生可能エネルギーの買取を行う電力会社は2019年頃から増加しており、電力会社によって売電価格は異なります。

再エネ賦課金とは

再エネ賦課金とは電力会社の電気の使用者から徴収される費用のことです。2023年5月の検針分からは使用電力量1kWあたり1.4円が再エネ賦課金として月々の電気料金に加算されます。単価の設定は年度ごとに経済産業大臣によって行われており、全国一律で設定されるように調整が行われています。

1世帯当たりの再エネ賦課金の額は2012年から継続的に増加していましたが、2023年5月からは1kWあたり2.05円の値下げが実施されています。

 

余剰電力が無償引き取りになるケースがある

FIT制度による買取期間満了後も、自家消費又は売電を行う形で余剰電力を活用する選択肢は複数存在します。ただし、買取期間満了の時点で売却先となる電気事業者と契約していないケースでは、一般送配電事業者によって余剰電力の無償引き取りが行われます。

資源エネルギー庁のホームページによると、送配電事業者にとって事業計画にない余剰電力の引き取りは業務上の負担になり得ることから、無償引き取りになっても送配電事業者の利益にはならないとされています。

 

 

 

2023年とこれからの売電価格

余剰電力の売電価格は、今後下落する傾向にあると考えられています。これは太陽光発電の導入が進み、「再エネ賦課金」の負担が大きくなってきたためです。

気になるのは、どれほど買い取り価格が下がるかという点でしょう。下げ幅によっては、今後の生活設計にも大きな影響を及ぼしかねません。

 

2023年度の売電価格

まずは、2023年度における住宅用太陽光売電の余剰電力の買い取り価格を見てみましょう。資源エネルギー庁によりますと、住宅用太陽光発電は1kWhあたり9.5円~16円です。

2022年度が10円~17円でしたので、0.5円~1円安くなっています。制度スタート時が48円/kWhだったことを考えると3分の1になっています。

 

2024年度以降の売電価格推移

国による売電価格は継続的に引き下げられており、今後も売電価格は引き下げられていくと考えられます。住宅用太陽光発電については、2028年度に売電価格を卸電力市場価格並みにすることが経済産業省による目標として発表されています。

買取価格が下落の一途をたどる背景には、太陽光発電の普及が進んだことが挙げられます。特に2011年の東日本大震災の原発事故のあとは、太陽光発電による発電量が急増しました。

再生可能エネルギーの買取量増加により、電気料金に上乗せされている再エネ賦課金は徐々に値上がりしてきました。2023年には電気の国際的な需要増加、価格高騰を受けて再エネ賦課金が値下げされており、来年度以降の見通しは不透明な状況です。

FIT買取期間後の余剰電力の使い道

買い取り期間が終了後、余った電気を有効に使う方法は2つあります。ひとつは自家消費、もうひとつは引き続き売電することです。

自家消費については、「使えなかったから余ったのにどうやって使うの」と疑問をもつ人もいるでしょう。この場合、家庭用蓄電池を導入することで電気を蓄えて使うことが可能です。

売電については、有利な価格での買い取りが終わるだけで、売ることができなくなるわけではありません。自家消費するか、引き続き売電するか、しっかり考えましょう。

 

自家消費する

 

電気をためて自家消費するには蓄電池が必要となります。販売価格は電池の種類や容量によって幅があるので、自宅環境にあったものを選ぶといいでしょう。

蓄電池は、防災面からも注目されている商品です。年々導入する家庭も増えています。地震や台風が原因で停電した場合でも、蓄電池を導入していれば貯めていた電気を使うことができます。また太陽光発電と蓄電池で消費電力を賄える場合は「再エネ賦課金」を支払う必要がなくなるのも大きなメリットです。

 

電力会社の売電プランを見直す

大手電力会社や新規参入の事業者は、固定価格での買取が終わった方を対象に、さまざまな買取プランを発表しています。

大手電力会社でも、会社ごとにサービスが用意されていることが特徴です。ある会社は1kWhあたり7円で買い取るとしていますが、別の会社は、受け取った電気の分を電気料金から割引、一定の量をこえたら1kWhあたり8円で買い取るという2段構えのサービスを設けています。

また、新規参入会社の中には、1kWhあたり11.5円という比較的高値で買い取ってくれるというところもあるので自分にあった売電プランを検討することで、買取制度終了後をよりお得に過ごせます。

売電期間終了後に設置費用を回収するには?

FIT制度による買取期間が終了した後は余剰電力を一般の電気事業者へ売電、又は自家消費して電気代を節約するなどの方法で設置費用の回収を行うことが一般的です。電気料金は2023年6月1日使用分から料金改定が行われており、大手電力会社7社で14%~42%の値上げが実施されています。電気料金の値上げに伴い、太陽光発電によって消費電力を補う金銭的メリットは増すと考えられます。FIT制度の適用期間中は余剰電力を売電し、期間終了後は蓄電池と太陽光発電を併用することで、設置費用の回収を効果的に進めやすくなります。

売電価格が下がっていても太陽光発電は購入すべき?

売電価格は下がり続けていますが、設置費用の低下や蓄電池との併用など太陽光発電を導入するメリットはあります。これは、太陽光パネルのメーカー保証が10年から25年に伸びたことや災害補償の充実が影響して故障リスクが減ったことから、昔よりも安定して売電収入を得やすくなったなどの変化による影響がある点です。ただし故障に気づかないまま長期間放置してしまうと大きく損をしてしまいます。故障に早急に気付けるよう発電量のチェックや定期的なメンテナンスが充実している業者を選びましょう。

住宅用太陽光発電システムを販売しているリベラルソリューションは、導入後のサポート体制と機器の保証内容に特に力をいれています。安心して太陽光発電を導入したいという方は是非ご相談ください。

まとめ

太陽光発電は導入後10年で売電が行えなくなるというわけではありません。売電価格はFITの適用期間中に比べると安くなる傾向にありますが、発電効率の向上によって売電収入の安定性も向上していることは事実です。災害時などに役立つ蓄電池の導入も検討しつつ、太陽光発電の利用方法を考えてみるとよいでしょう。

太陽光発電、蓄電池の導入を検討している方は、ぜひリベラルソリューションにお問い合わせください。多数の導入実績から、あなたにベストなプランをご紹介します。導入後のサービスも充実しており、沖縄を除く全国に支店を持っているため、緊急時の対応にも迅速に対応できます。予算面含め、お気軽にご相談ください。

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