太陽光発電は発電時に汚染物質などを排出しないため、クリーンなエネルギーとして世界的に注目を集めています。再生可能エネルギーに分類され、導入も容易なことから太陽光発電に興味を持った方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、世界の太陽光発電の導入状況や普及率をご紹介します。日本国内での導入事情にも触れますので、太陽光発電の導入を検討している方は、予備知識として知っておくのもおすすめです。
世界の太陽光発電の導入量の状況
太陽光発電が世界的にどのような広がりを見せているのか気になっている方もいるのではないでしょうか。太陽光発電の現状を知るために、累積導入量と年間導入量を詳しくチェックしましょう。
環境保護につながる再生可能エネルギーに注目が集まっており、世界的に太陽光発電の導入が進んでいます。
世界の累積導入量
国際エネルギー機関(IEA)が発表した世界における太陽光発電の累積導入量を見てみましょう。2019年までの累積導入量トップ10は以下の通りです。
なお、EU全域の累積導入量は131.7GWとなっており、ひとつの地域と考えた場合は2位に相当します。累積導入量が上位の国には先進国が多いのが特徴です。
(参考: 『Snapshot of Global PV Markets 2020|IEA』/https://iea-pvps.org/wp-content/uploads/2020/04/IEA_PVPS_Snapshot_2020.pdf)
世界の年間導入量
2019年の年間導入量もチェックしましょう。年間導入量とは、1年間に新規導入された太陽光発電の容量を示しています。年間導入量トップ10は以下の通りです。
累積導入量上位の国が年間導入量も上位になっている傾向がありますが、ベトナムなどの新興国もランクインしています。太陽光発電は先進国だけでなく、新興国でも導入が進んでいることが分かるでしょう。なお、EU全域の年間導入量を合計すると16.0GWです。
(参考: 『Snapshot of Global PV Markets 2020|IEA』/https://iea-pvps.org/wp-content/uploads/2020/04/IEA_PVPS_Snapshot_2020.pdf)
世界の年間導入量の推移
年ごとに年間導入量がどのように推移しているかチェックしましょう。太陽光発電の導入量は年々増える傾向があります。2011年~2019年の年間導入量は以下の通りです。
住宅用太陽光発電をはじめとした屋根上設置型のものだけでなく、メガソーラーなど発電所規模で設置されるものも増加しています。
(参考: 『Snapshot of Global PV Markets 2020|IEA』/https://iea-pvps.org/wp-content/uploads/2020/04/IEA_PVPS_Snapshot_2020.pdf)
世界で太陽光発電システムが普及するまでの歴史
ここからは、太陽光発電の原理が発見されてから広く普及するまでの歴史を解説します。太陽光発電の歴史は古く、原理の発見から180年以上かけて開発されてきました。
一般に普及するまでには時間がかかりましたが、近年は急速に導入が進んでいます。太陽光発電は、今後のさらなる発展に期待できる再生可能エネルギーのひとつです。
太陽光発電の原理はフランスで開発されたのが始まり
太陽光発電の主な原理は「光起電力効果」で、1839年にフランスの物理学者が発見しました。当時発見されたのは、塩化銀(AgCl)で覆った白金(Pt)製の電極を電解液に入れ、光を当てると電流が発生する仕組みです。
その後、セレン(Se)や硫化カドミウム(CdS)などの物質に光起電力効果があることが発見されます。世界初の光起電力効果を使用した太陽電池は1954年にアメリカで開発され、翌1955年には日本でも開発されました。
太陽光発電が初めて実用化されたのは1958年
太陽電池が開発されたのは1954年ですが、実用化されたのは少し後の1958年です。最初の用途は宇宙開発で、人工衛星に供給する電力を発電する装置として使用されました。外部からエネルギーを供給しなくても自ら発電できる画期的なシステムといえるでしょう。
日本国内で住宅用太陽光発電システムが開発されるのは、それから35年が経過した1993年です。光起電力効果の発見から住宅のエネルギー源として使用するようになるまでには、150年以上の時間がかかっています。
太陽光発電システムが広まったのは1990年代後期
太陽光発電システムが世界的に普及したのは1990年代後期~2000年代初期です。最初はヨーロッパで普及し、その後他の地域でも導入されるようになりました。
日本国内では2009年に余剰電力買取制度が施行されたことで、一般家庭に普及します。余剰電力買取制度は2012年に固定価格買取制度(FIT制度)にリニューアルし、さらに普及を後押ししました。
2021年時点では、FIT制度によって一定期間固定価格で余剰電力を売電できるため、売電収入や光熱費の削減効果を見込んで導入する方が増えています。
海外の太陽光発電システムの導入事情
日本国内でも普及している太陽光発電ですが、海外の導入事情はどうなのか気になっている方もいるのではないでしょうか。日本以上に導入が進んでいる国もあり、先進国のみならず新興国でも急速に普及しています。
今後は、まだ普及していない地域でも導入が進むと考えられるでしょう。太陽光発電は、地球環境の保護に貢献する次世代のエネルギー源です。
再生可能エネルギーのシェア率が高いドイツ
ドイツは再生可能エネルギーの導入に積極的な国で、太陽光発電も多く利用されています。原子力発電の代替手段として再生可能エネルギーを導入したことによって普及が進み、2020年には全発電量の9%を占めるまでになりました。
2019年時点の累積導入量は世界第4位、年間導入量は世界第7位となっており、順調にシェアを高めています。ドイツは太陽光発電以外を含めた再生可能エネルギーによる発電量が多く、火力発電による発電量を上回っているのも特徴です。
近年シェア率を伸ばしている中国
中国も太陽光発電の導入量が多い国として知られています。2019年時点で累積導入量・年間導入量ともに世界第1位で、急速に普及しているのが特徴です。
中国は長年大気汚染問題を抱えており、解決策のひとつとして再生可能エネルギーに力を入れています。国際社会に対して温室効果ガスを大幅削減することを表明していることもあり、今後も大きく拡大する可能性が高いでしょう。
カリフォルニアの導入目標100%を目指しているアメリカ
アメリカは2019年の累積導入量・年間導入量が世界第2位の国です。州によっては再生可能エネルギー・ポートフォリオ基準を策定しており、太陽光発電をはじめとしたクリーンなエネルギーの普及を促進しています。
特に、2018年に再生可能エネルギー・ポートフォリオ基準を改正したカリフォルニア州は、普及が進んでいる地域のひとつです。改正後の基準によると、再生可能エネルギーが全発電量に占める割合を2030年までに60%、2045年までに100%にすることを目標としています。
経済成長に比例して導入率が影響しているインド
インドは2019年の累積導入量が世界第5位、年間導入量が世界第3位の国です。新興国ですが経済成長が著しく、それに比例して導入量が増加しています。
2017年の年間導入量が9.9GWであったのに対して2018年は約8GWと減少しているものの、これはセーフガード措置の発動や為替相場の下落が市場全体に影響を及ぼしたことが大きな要因と考えられるでしょう。2019年の年間導入量は9.9GWとなっており、2017年の水準に回復しています。
インドは晴天日数が多いエリアが広く、日射量も多いので太陽光発電を設置するのに適した場所です。
日本国内での太陽光発電の導入量は多いのか
日本国内における太陽光発電の導入量が気になる方もいるのではないでしょうか。日本では2010年代から急速な普及を見せており、その背景にはFIT制度のスタートがあります。
日本国内における太陽光発電の導入量がどのように推移しているのかチェックし、将来性を考察しましょう。
2010年代から急速に成長している太陽光発電導入数
2019年時点で、日本の太陽光発電は累積導入量で世界第3位、年間導入量で世界第4位です。2009年の固定価格買取制度および2012年の固定価格買取制度(FIT制度)のスタートが普及促進の起爆剤になり、2010年以降に急速に導入が進んでいます。
2014年時点での年間導入量は9.7GWとなっており、中国の10.6GWに次いで第2位でした。世界的に見ても、日本は太陽光発電の導入が盛んな国といえるでしょう。
最新の日本の太陽光発電導入量
国際エネルギー機関の発表によると、2019年の日本における太陽光発電の年間導入量は7GWでした。2020年の導入量は2019年に比べて増加する見通しが発表されていましたが、新型コロナウイルスのパンデミックが影響して前年を下回る可能性も考えられます。
日本だけではなく、世界全体の年間導入量が2019年を下回る可能性があるでしょう。ただし、これは一時的な現象と予想されています。
これから先の日本の太陽光発電事情
日本のエネルギー政策では、2030年までに全発電量に占める再生可能エネルギーの割合を22%~24%程度にするのが目標です。実現するためにはさらなる太陽光発電の導入促進が必要になるでしょう。
2021年時点ではFIT制度が運用されていますが、今後はFIP制度への移行を予定しています。FIP制度では適切な利潤を含んで売電価格を設定するため設置しやすくなり、さらなる普及が見込めるでしょう。今後のエネルギー政策にも要注目です。
世界規模で見たこれからの太陽光発電
地球環境の保護は、世界規模で取り組まなければならない課題と考えられています。再生可能エネルギーは次世代のエネルギー源として注目されており、そのひとつが太陽光発電です。
再生可能エネルギーの中では風力に次いで発電量が多く、設置しやすいことから新興国・途上国でも導入が進んでいます。既存のモジュールより安価な中国産モジュールも増えていることから、より導入しやすくなってさらなる拡大が見込めるでしょう。太陽光発電は多くの国で利用できる再生可能エネルギーとして、将来性が高い発電方法です。
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他にも、蓄電池やオール電化との組み合わせなどにも対応しており、ライフスタイルに合わせて運用できます。リベラルソリューションではオンライン面談を実施しているので、導入を検討している方はぜひご相談ください。
今後も日本国内のみならず、世界的にみても太陽光発電が普及すると予想されています。環境保護に貢献するのと同時に光熱費削減にも役立つので、ぜひ太陽光発電の導入を検討しましょう。
まとめ
太陽光発電は比較的設置しやすい再生可能エネルギーを利用した発電設備として、世界的に導入が進んでいます。日本国内では2010年代から急速に普及しており、今後も普及率が上昇するでしょう。環境保護に興味・関心がある方や光熱費を削減したい方は、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
リベラルソリューションではさまざまな太陽光発電システムを取り扱っており、ライフスタイルに合った設備の導入が可能です。アフターサポート体制も万全なので、導入後は安心してご利用いただけます。これから太陽光発電を設置しようと考えている方は、ぜひリベラルソリューションをご検討ください。