2016年の電力自由化以後、新電力と呼ばれている多くの電力会社が電力事業に参入しています。これから太陽光発電を導入するとき、または、すでに設備をお持ちで売電や自家消費に活用している場合も電力会社の選択は重要です。
多くの新電力がいろいろなプランを提供しており、選び方はますます難しくなっています。どの会社のどのプランにしようかと検討している方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、太陽光発電に最適な電力会社選びのメリットや注意点について紹介します。
太陽光発電は電力会社を選ぶ時代へ
固定価格買取制度の満了(卒FIT)、電力の自由化など太陽光発電を取り巻く環境は大きく変化しています。多くの中から自由に電力会社を選べる時代になりました。選び方によってはお得になるケースもあるので変化に乗り遅れないようにしましょう。
ここでは、太陽光発電の卒FITに伴う2019年問題、従来からある地域の電力会社に加えて新電力も事業を行えるようになった電力自由化について解説します。
太陽光発電における2019年問題
家庭の太陽光発電設備で発電した電力を一定の価格で電力会社が買取ることを義務付けた余剰電力買取制度は2009年にはじまりました。その後、2012年にFITに移行しています。いずれの制度でも住宅用太陽光発電の一定価格の買取期間は10年です。
2009年に売電を始めた場合10年後の2019年に満期を迎え、2020年以降も順次、一定価格での買取期間は終了していきます。終了後、売電を継続するときは自動継続の場合を除き各自で新旧の事業者と売電価格を決めて契約しなければなりません。
電力自由化とは?
従来、一般の住宅で使用する電気はそれぞれの地域で指定された電力会社以外は買えないことになっていました。2016年の全面電力自由化以降は指定会社だけでなく、電気を販売しているガス会社や通信会社などのいわゆる新電力からも買えるようになっています。
太陽光発電設備で発電した電気の売電先は自由化以前から任意に選べるようになっていました。とはいえ自由化後はより多くの電力会社が参入しています。価格面で有利なところもあり、太陽光発電活用の後押しになっていくことでしょう。
卒FIT者・新規導入者における太陽光発電の3つの活用方法
卒FITとは太陽光発電の電気を一定価格で電力会社が買い取る期間が満了することです。満了後も各自で買い取ってくれる電力会社と契約して売電を続けることもできます。しかし買取価格は下がる傾向です。
FITの買取価格も下がる傾向が続いており、卒FITとなる方だけでなく新規に導入される方も含めて太陽光発電の活用方法を考えてみましょう。
旧一般電気事業者もしくは新電力と売電契約をする
FIT期間に売電していた旧一般電気事業者と契約して引き続き買い取ってもらうのも一つの選択肢です。同一の事業者に引き続き売電する場合は自動継続になっているケースが多いようですが、確認しておきましょう。もしくは少しでも買取条件のよい電力会社と新たに契約して買い取ってもらうこともできます。
どちらの場合も売電価格は大幅に下がることになるでしょう。この方法は新たに設備を増やす必要はなく契約すればすぐに続けられます。
蓄電池などを購入し、余剰電力を自家消費する
蓄電池を購入してこれまで売電していた余剰電力を充電しておき夜間に自家消費する方法です。蓄電池購入と設置のコストはかかりますが、夜間に買う電力量が少なくなり電気料金を節約できます。住宅の使用量に見合った太陽光発電設備と蓄電池があれば買う電気をゼロにすることも可能です。
同時に単位時間あたりに買う電力を少なくでき(ピークカット)、一般の電力会社で10Aから60Aまである契約の大きさを落として基本料金も節約できます。
さらに、災害などで停電しても日中は太陽光の電気を使い、夜は蓄電池の電気を利用することで普段とそれほど変わらない生活を長期間続けることも可能になるでしょう。
従来通り自家消費し、夜間は電力を購入する
これまで通り、日中太陽光で発電した電気を使用し、夜は電力会社からの電気を使う方法です。この場合、新たにかかるコストはありません。ただし、将来設備が使えなくなったときの撤去費用などは考慮しておく必要があります。
日中の電気はほとんど太陽光で賄えるため、電力会社を選ぶ際には日中の電気料金が高く、夜の電気料金が安いプランを選ぶとお得になるでしょう。
日中の電気使用量が多い場合には向いている方法かもしれません。しかし、日中に太陽光発電で発電して余った電気の売電契約をしていなければ無償で引き取られることになることもありますので電力会社に確認しておきましょう。
新電力会社の太陽光発電のプレミアム買取とは?
プレミアム買取とは太陽光発電で発電した電力をFITで定められた買取価格より高い金額で買い取ってもらうことです。プレミアム買取をする事業者は限られており、どこでも提供しているものではありません。電力を少しでも高く買い取ってくれるところがあれば売電利益も大きくなりお得なサービスです。
プレミアム買取制度とは?
以前、電力小売り事業は全国に10社ある地域の電力会社が担ってきました。2016年の電力自由化後、多くの新電力と呼ばれる電力会社が小売り事業に参入しています。このとき一部の新電力がFITの固定価格より少し高い価格で買い取ってくれる電力の買取サービスがプレミアム買取です。
プレミアム買取をしてもらっている途中で提供している事業者がサービスを中断したり倒産した場合でもFITの期間内であれば、本来の固定価格は保証されます。このため気軽に始めることができるサービスです。
なぜ高く買い取りができるのか
FITの太陽光発電で発電した電力を買い取る単価は、上限を決めているものではありません。電力自由化後新たに電力事業に参入した新電力はFITの買取単価にある程度の金額をプラスしても事業を継続できることから高く買い取ることができるのです。
実際には以前は募集していたものの、募集を締め切っていたりすることもあるので、よく太陽光発電の業者などに相談することをおすすめします。
太陽光発電で電力会社を選ぶメリット
電力自由化後、多くの新電力が参入しています。各社さまざまなプランがあり、使い方によってはお得になるケースがあるのではないでしょうか。また、卒FIT後も売電を続ける場合、少しでも高く買い取ってもらいたいものです。ここでは太陽光発電と電力会社を選ぶメリットについて解説します。
FIT終了後も電力を買い取ってもらえる
FITの買取期間終了後、それまでと同じ電力会社であれば多くの場合引き続き電力を買い取ってもらえます。ただし買取価格は大幅に低下します。新たな会社と契約を結んで売電することも可能です。買取価格は契約する相手ごとに異なっており、7円/kWhから9円/kWhのケースが多くなっています。2020年度のFITの買取価格が21円/kWhですから大幅な低下です。
切り替えが簡単
太陽光発電の売電先を新電力などに切り替えても住宅側の設備に変更はありません。また工事費はかからないのが一般的です。したがって、切り替えは新たな売電先と契約手続きをするだけで気軽に行うことができます。
ただし、卒FIT後も売電を継続する場合は電力会社ごとに買取価格や提供エリアが異なっていますので比較したり太陽光発電の業者に相談するなどして切替先を選びましょう。
契約先が変更できる
新電力などに切り替えたあとに倒産やトラブルがあっても、解約しても元の電力会社に戻ることはできます。もちろん他の会社と契約することもできます。
ただし、元に戻る場合、以前の料金プランなどが募集締め切りになっていたりしたときには適用を受けられないことがあるかもしれません。その他、違約金が必要だったり不利なことがないか確認の上、納得して解約するようにしましょう。
売電先と買電先を統一できる
発電した電気の売電先と買電の電力会社を同じにすることで電気料金を安くできることもあります。このような場合、売電と買電を統一するのも一つの選択肢です。
しかしながら、一般的に新電力は使用量の多い家庭が安くなるようになっています。電気の使用量を料金プランに当てはめてシミュレーションしてメリットやデメリットを比べて判断することがおすすめです。
太陽光発電で電力会社を選ぶ際の注意点
卒FITに伴って売電先を変えるとき、新規に太陽光発電や蓄電池などを導入するとき電力会社はどうしようかと考えている方もいるのではないでしょうか。売電先や買電先を選ぶときには注意しないといけない点があります。
まず大切なのは電力会社にはサービスを提供可能なエリアがあってどこでも電力を買ったり売ったりできないことです。お住まいのエリアで提供している中から選ばなくてはなりません。
電力会社を変更するにはどうすればいい?
電力会社の変更の際には新しく契約する電力会社に電話やwebで申し込みます。これまで契約している会社への解約の連絡は基本的に不要となっていますが、変更の際に違約金が発生したり手数料がかかる場合もありますからよく確認しておくことをおすすめします。
また、一部のオール電化住宅や離島など契約変更できないこともありますので注意が必要です。
自分に適した太陽光発電の活用をするために
これから太陽光発電設備を導入して生活に役立てようとお考えの方、あるいは卒FIT後、どのように活用しようかと検討されている方にとっては使い方に応じてベストな電力会社を選ぶことが重要です。そうすればお得なより自分に適した設備にしていくことができるのではないでしょうか。。
活用方法に適した電力会社を選ぶためには正確な知識と詳しいシミュレーションが必要になります。活用方法や電力会社を決める際には信頼と実績のある事業者へのご相談をおすすめします。
まとめ
電力自由化後、従多くの新電力が電力事業に参入しています。各社がいろいろのプランを提供していて選ぶのも難しくなっています。新規に導入する方、卒FIT後の活用のしかたをお考えの方は早めに決めておくことが大切です。
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