家庭用蓄電池の価格を徹底解説!どのポイントで比較すべき?

一般家庭用に設置する蓄電池の価格は、サイズや機能といったさまざまな要素で変動します。蓄電池の導入を検討しているものの、価格を左右するポイントが分からず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、家庭用蓄電池の価格や必要な費用について詳しく解説します。設置後にかかるコストを把握すれば、運用の計画が立てやすくなるでしょう。価格を考える際に特に注目したい要点も併せて紹介します。

 

目次

家庭用蓄電池の本体価格は条件によって異なる

家庭用蓄電池の本体価格を左右するのは、蓄電できる容量やサイズです。導入時のコストを踏まえたうえで検討できるよう、本体価格に影響する条件をチェックしましょう。ここでは、条件の具体的な内容について解説します。

 

蓄電容量やサイズによる価格への影響

蓄電池は設置方法によってポータブルタイプと定置型の2種類があります。家庭で使う電力を十分に賄える容量を備えた家庭用蓄電池の多くは、サイズが大きい定置型です。本体価格は100万円~300万円が目安と考えましょう。

建物の規模が大きい場合、大容量の蓄電池を選ぶことで便利に活用できます。ただし、容量が大きいほど、導入時には費用がかかる場合がほとんどです。

機能面による価格への影響

家庭用蓄電池の価格は、サイズや容量の他に以下の機能やスペックに左右されます。

 

 ・充放電の回数(寿命)

・放電時間と消費電力

・停電時の最大出力

・太陽光発電と併用したときの効果

 

機能やスペックが充実した蓄電池は、本体の購入に費用がかかります。導入から寿命を迎えるまでの期間や停電時の出力、太陽光発電との併用の有無を見極めて、自宅に合った蓄電池を選ぶとよいでしょう。

家庭用蓄電池の価格はこれからどうなる?

定置型の家庭用蓄電池は、リチウムイオン蓄電池を使用したモデルが主流です。リチウムイオン蓄電池の需要の変化に注目して、近年の価格の動向をチェックしましょう。ここでは、家庭用蓄電池の将来性について解説します。

家庭用定置型蓄電池はリチウムイオン蓄電池がメジャー

「二次電池」「バッテリー」とも呼ばれる蓄電池には、以下のような種類があります。

 

・リチウムイオン電池

・ニッケル水素電池

・鉛蓄電池

・NAS電池

 

現在、家庭用定置型蓄電池の主流は「リチウムイオン蓄電池」です。他の蓄電池に比べてエネルギー密度が高いのが特徴で、本体を小さく軽くできます。また、充電・放電のエネルギー効率が高く、充電のたびに放電する必要がありません。家庭用蓄電池以外の機器に搭載されるケースも多く、広く知られた二次電池のひとつといえるでしょう。

リチウムイオン蓄電池は需要が急増している

近年、環境への配慮や緊急時の備えに対する意識が高まり、蓄電システムの需要が急増しています。身近な例では、電気自動車やハイブリッドカー、スマートフォンのバッテリーもリチウムイオン蓄電池です。

リチウムイオン蓄電池の市場が拡大する一方で、原料となるリチウムやコバルトといった資源の供給は安定しません。数十年後には枯渇するリスクがあるといわれていますが、突然ゼロになる可能性は低いと考えてよいでしょう。蓄電池にさらなる注目が集まることで、地質調査が進み採掘できる量が増えると予想されるためです。

家庭用蓄電池価格はコロナ禍以降上昇傾向に

リチウムイオン蓄電池の需要増加、原料不足などが続いていることから、本体価格が下がる可能性は低いでしょう。資源エネルギー庁「定置用蓄電システムの目標価格および導入見通しの検討」によると、2019年度における家庭用蓄電システムの価格は1kWhあたり18.7万円です。2020年度の目標とされている1kWhあたり9万円という水準には前年度時点で9.7万円届いておらず、家庭用蓄電池の価格低下が進んでいないことが分かります。

 

なお、2030年度の目標価格に関するアンケートについては対象となった家庭用蓄電システム事業者9社中4社がそれぞれ「エンドユーザー価格3万円/kWh~9万円/kWh」、5社が「不明」と回答しています。将来的に蓄電池の価格が下がると考えられる回答ですが、リチウムイオン電池の原料不足によって価格高騰が進むことも考えられるため、導入を検討している方は機能や工事費用など本体価格以外の要素から判断した方がよいでしょう。

価格比較の目安になる家庭用蓄電池の種類を知っておこう

家庭用蓄電池の価格を比較する際には、太陽光発電システムとの併用について考える必要があります。また、緊急時の供給範囲や時間といったポイントも重要です。ここでは、価格比較の目安となる家庭用蓄電池の種類を紹介します。

 

単機能型とハイブリッド型

家庭用蓄電池の導入を検討している方の中には、太陽光発電システムを設置している方もいるでしょう。「単機能型」と「ハイブリット型」の大きな違いはパワーコンディショナの機能です。以下の表を参考に、価格や特徴の違いを把握しましょう。

 

特定負荷型と全負荷型

停電時、自宅のどの範囲に電気を送るかによってタイプが異なります。価格だけでなく本体の大きさも変わるため、メリットとデメリットを理解したうえで使い方に合った種類を選びましょう。

 

蓄電池を設置する際には、固定するための基礎工事が必要です。一般的な作業内容として以下の表を確認しましょう。なお、費用は施工会社により異なりますが、作業の必要性や人数に応じて具体的な金額を決定します。

家庭用蓄電池の設置に必要な2つの費用

家庭用蓄電池を設置するときは、本体の購入以外にもさまざまな費用が必要です。具体的なコストを把握するためにも、どういった費用項目があるのかチェックしましょう。ここでは、蓄電池の設置にかかる費用の内訳と作業内容について解説します。

組み立てや基礎工事でかかる設置費用

業内容として以下の表を確認しましょう。なお、費用は施工会社により異なりますが、作業の必要性や人数に応じて具体的な金額を決定します。

 

配線や電気系統にかかる工賃

本体を設置した後は、以下の流れで配線や電気系統の工事を行うケースが一般的です。

 

・蓄電池本体

・コンバータ

・蓄電池用のパワーコンディショナ(パワコン)

・太陽光発電用のパワコン(併用する場合)

・住宅分電盤

・特定負荷分電盤

 

他にも、Wi-FiやLANケーブルの接続や設定をする場合もあります。工事の工程が多いほど、費用も増えると考えましょう。ただし、費用は蓄電池の種類や設置方法、施工会社によって異なります。内訳と併せて事前に確認しましょう。

家庭用蓄電池の設置後にかかる2つの費用

家庭用蓄電池は導入費用だけでなく設置した後にもコストがかかります。発電効率が高い状態を維持し続けるには、定期的なメンテナンスをしなければなりません。また、長期間使用する機器なので、交換が必要になる場合もあるでしょう。ここでは、家庭用蓄電池のメンテナンスと交換について解説します。  

 

蓄電池を安心して運用するためのメンテナンス費用と保証

リチウムイオン電池を使用した家庭用蓄電池は、基本的に手間のかかるメンテナンスは必要ありません。とはいえ、安心して運用するためにも、使用開始から10~15年近く経ったらメーカーや販売店などに点検を依頼しましょう。家庭用蓄電池の定期メンテナンス費用の相場は数万円程度とされていますが、修理や部品の交換が必要な場合は数十万円かかります。

蓄電池が消耗した後の交換費用

使い方やメンテナンスの頻度によって異なりますが、家庭用蓄電池の一般的な耐久年数は15年~20年です。蓄電池が消耗したときは業者に交換を依頼しましょう。メーカー保証の期間内であれば、無料で交換してくれる場合があります。ただし、保証期間を過ぎると、交換費用がかかるので注意しましょう。

導入直後に交換を要することはあまりないかも知れませんが、将来的にかかる交換費用も視野に入れたうえで、コスト面の計画を立てることが大切です。

家庭用蓄電池はローンでの購入もできる!

家庭用蓄電池の本体価格や設置費用、メンテナンス費用といったコストが理由で「導入しづらい」と感じている方は、ローンで購入する選択肢もあります。

利用できるローンは、リフォームローンや住宅ローンの借り換えです。リフォームローンは金利に幅があって分かりにくいものの、原則無担保で審査も通りやすい点はメリットといえるでしょう。

 

新築住宅と併せて設置する場合は蓄電池の費用を住宅ローンに組み込んで借りられます。住宅ローンは低金利で長期的なローンを組めるので、設置費用の返済、回収を図りやすいことがメリットのひとつです。

 

また、現在住宅ローンの返済期間中である場合、借り換えした際の差益で蓄電池の導入費用を賄うのもひとつの方法です。

家庭用蓄電池にかかる価格を考える際の3つのポイント

家庭用蓄電池にかかるコストを考える際は、メーカーが提供する保証内容や現状の設備も重要な判断基準です。設置する時期やエリアによっては補助金制度が利用できるケースがあるため、確認するとよいでしょう。ここでは、価格を判断するうえで押さえておきたいポイントを3つ紹介します。

保証内容や条件を確認する

蓄電池の機能を適切に維持するには、保証の内容が重要です。家庭用蓄電池の保証期間は10年~15年であることが一般的で、メーカーやプランによって保証の期間や条件などが変わる場合があります。以下のポイントを参考に納得のいく保証の付いた蓄電池を選びましょう。

・機器の保証:蓄電の設備が故障したとき、修理や交換を保証

・容量の保証:規定以上蓄電できなくなったとき、修理や交換を保証

・自然災害保証:地震や台風といった自然災害が原因で故障した場合の保証

 

安さばかりに注目すると、トラブルが起きたときに金銭的な負担が大きくなるかもしれません。万が一の事態を想定したうえで、補償内容を確認しましょう。

太陽光発電とセット購入をする

太陽光発電システムの導入を検討している方は、蓄電池と同時に購入すれば工事が1回で済むため、設置費用が抑えられます。また、セットで導入すると、ハイブリッド型の蓄電池を選べる点も魅力です。ハイブリッド型なら電力の変換効率が優れていて無駄が少なく、設置スペースを節約できるというメリットがあります。

太陽光発電との併用はダブル発電による効果も期待できます。蓄電池に蓄えた電力を放電しながら太陽光発電システムで発電するダブル発電を利用すれば、売電量が増え、収入も増えるでしょう。以前は「ダブル発電は損」といわれていましたが、現在はシングル発電と同等の価格で買い取ってくれます。また、太陽光発電と蓄電池を併用することで買電量も減るでしょう。売電収入の増加と電気料金の削減という2つの金銭的メリットが得られます。

補助金を利用する

家庭用蓄電池の種類や住んでいる地域によっては、国または自治体が支給している補助金制度を利用できる場合があります。導入費用を少しでも抑えたい方は、自分が利用できる制度がないか事前に確認するとよいでしょう。

補助金が利用できる期間や条件、期間はエリアや申請先によって異なります。また、申請数に上限を設けている場合もあるため、申請する時期にも注意が必要です。

家庭用蓄電池は納得価格で導入できる業者を選ぼう

導入から定期的なメンテナンスまで、納得できる価格の家庭用蓄電池を選ぶには、信頼できる業者の見極めが大切です。価格の安さのみに注目するのではなく、品質や安全性をチェックしたうえで選びましょう。「どこに依頼したらよいのか分からない」と悩んでいる方は、リベラルソリューションへお任せください。蓄電池の他、太陽光発電システムの導入も依頼可能です。電気の使い方や予算といった複数の条件を考慮しながら最適なプランをご提案します。

導入後に懸念されるリスクを説明して計画を立てるため、納得したうえで決断できるでしょう。家庭用蓄電池が持つ魅力だけでなく、あらかじめ理解しておきたい注意点やデメリットの共有も徹底しています。

まとめ

家庭用蓄電池を導入する際は、容量やタイプの違いによる適正価格を判断する必要があります。さまざまな要素で価格が変わるため、蓄電池の種類ごとの特徴を理解し、自宅の環境や希望に合った機器を選びましょう。導入時のコストだけでなく、メンテナンスにかかる費用も重要なポイントです。現状に適した設備やプランが判断できない方は、ぜひリベラルソリューションへご相談ください。徹底的なシミュレーションを重ね、高品質な機器やプランをご提案します。

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