災害用の蓄電池とは?停電時の稼働時間や利用方法を解説!

屋内外に設置できる蓄電池は、万が一の災害に備えるためにも役立つ機器です。2011年の東日本大震災や2012年以降の補助金交付をきっかけに、家庭への導入も増加傾向にあります。蓄電池は導入コストがかかるため、「具体的な仕組みや利用方法を知りたい」という方もいるのではないでしょうか。

 

そこでこの記事では、蓄電池をはじめとする災害用に使える設備の種類や特徴などを詳しく解説します。緊急時に有効活用するためのコツが分かると、日常生活の安心感も高まるでしょう。

 

目次

災害時や停電時に利用できる蓄電池の特徴と活用事例

導入する機器や利用方法を知る前に、まずは基本的な特徴の理解が必要です。通常の電気利用とは大きく異なるため、蓄電池ならではの機能性を押さえましょう。利便性を理解するためには、実際に活用された事例をチェックするのもおすすめです。蓄電池の仕組みと活用事例を解説します。

 

蓄電池は貯めておいた電気を使える

電気を取り入れたり取り出したりできるのが、蓄電池の特徴的な仕組みです。電力会社から供給された電力をリアルタイムで消費するケースとは異なり、電気そのものを機器に貯められます。必要なときに放電することで、蓄電池から建物内への電力供給が可能です。

 

太陽光発電の設備があると、さらに利便性が高まります。電力会社から電気を買うことなく、太陽エネルギーで自家発電した電気を蓄電できるためです。蓄電池に常時電気があると、災害や停電が起こったときも冷静に対処しやすくなるでしょう。

 

災害時に蓄電池が活用された2つの事例

地震や台風の影響を受けやすい日本において、蓄電池は緊急時に役立つシステムといえます。近年では、以下の災害発生時に活用されました。

 

災害 電気に関する被害
北海道胆振東部地震(2018年9月)

・震源近くの発電所が停止

・北海道全域で約295万戸が停電(ブラックアウト)

・2日間で99%まで復電

台風15号(2019年9月・千葉県)

・暴風雨や飛来物により配電設備が故障

・千葉県内の最大供給支障戸数は約93万2,900戸

 

生活環境やエリアによっては、電気が止まることで連絡手段が途絶えるかもしれません。蓄電池があれば停電時も自宅内の家電に電力を供給できるため、スマートフォンを使って助けを求める、復旧するまで不便なく生活を続ける、といった目的も叶えられます。

 

災害用以外にもある家庭用蓄電池のメリット

「万が一のために蓄電池を導入したい」と考える方も多くいますが、有事だけでなく日常的にメリットを得ることも可能です。太陽光発電や電気自動車と併用すると、より効果的でしょう。緊急時に備えられるのは大きなメリットですが、他の観点から理解を深めることも大切です。特に期待できる2つの効果をご紹介します。

 

賢くエネルギーを利用できる

蓄電池を購入する際に併せて検討したいのが、太陽光発電の設備導入です。屋根などに設置した太陽光パネルから電気を集め、家の中に供給します。このとき消費する電力量が少ない場合、蓄電池があると便利です。

 

発電時に使わなかった電力を貯めておくことで、太陽エネルギーを得られない夜間に消費できます。余剰電力として、電力会社への売電も可能です。これらの特性を理解した上で導入すると、電気料金の節約効果も実感できるでしょう。

 

「日中は家におらず、夜間にテレビを見る」といった場合、太陽光発電と蓄電池の組み合わせがメリットを発揮します。現在太陽光発電を備えている方は、蓄電池を導入すると電気料金を見直すきっかけにもなるでしょう。

 

電気自動車との相性が良い

電気の力で駆動する電気自動車(EV)も、蓄電池のメリットが活かせる要素です。太陽光発電を含む3つの要素が組み合わさると、「トライブリッド蓄電システム」を実現できます。太陽エネルギーで生じた電気を貯め、蓄電池と接続した車へ供給する方法です。

 

蓄電池がない場合は、発電した電力をそのまま充電する必要があります。通勤などで日中使う機会が多い方は、充電と消費のタイミングが合わないかもしれません。トライブリッド蓄電システムであれば、日夜を問わず充電が可能です。

 

災害用に蓄電池を利用できる幅は?

蓄電池を有効活用するには、電気の容量や出力といった情報が重要です。対応力は機器により異なりますが、必ずしも「長期間継続的に必要な電力を供給できる」というわけではありません。むやみに消費すると電力が不足する可能性もあるため、利用可能な範囲をしっかり把握しましょう。容量・出力と電圧の2つに分けて詳しく解説します。

 

どれくらい使えるかは容量と出力次第

蓄電池から供給できる電力量を左右するのは、機器の「容量」や「出力」です。いずれも蓄電池によってスペックが異なります。以下の表を参考に、具体的な定義や考え方を理解しましょう。

 

項目(単位) 特徴
容量(kWh)

・家電を稼働できる時間の長さが分かる

・例えば、5kWhの蓄電池で50Wの電気を点灯させた場合、100時間稼働する

出力(kWまたはW)

・同時に稼働(接続)できる家電の数が分かる

・同じ出力の蓄電池を比較した場合、容量の大きいほうが接続数も多い

 

一般的な家庭において、停電時の電力消費量は4kWhが目安です。普段通りの生活を継続するとなると、消費量も増加します。「長時間複数の部屋で電気を使いたい」という場合は、容量・出力ともに大きい蓄電池を選んだほうがよいでしょう。

 

家電によっては電圧の確認も必要

家電の多くは蓄電池の電力を活用できますが、一部注意が必要な物もあります。家電は一般的に100Vの電圧で動きますが、以下は200V機器に該当するためです。

 

・エアコン

・食器洗い乾燥機

・電気式床暖房

・IHクッキングヒーター

・洗濯乾燥機

・浴室換気暖房乾燥機

 

100V対応の蓄電池でこれらを使うと、正常に動かない可能性があります。エアコンや電気式床暖房も使いたい場合は、100V・200V両方に対応した蓄電池を選びましょう。

 

【種類別】災害時に蓄電池を利用するポイント

家庭用に販売される蓄電池の選択肢には、大きく分けて2つの種類があります。「停電時、どのように電気を使うか」が重要な判断基準の1つです。災害用として導入を検討している方は、ストレスなく使えるタイプをピックアップしましょう。種類別に、基本的な仕組みと利用方法を解説します。

 

全負荷型の場合の利用方法

部屋を限定せず、建物全体に電力を供給するのが「全負荷型」です。蓄電池の容量が大きく、停電時でも通常と同じように生活しやすいというメリットがあります。一方、電力の消費が激しい点には注意が必要です。

 

むやみに消費すると電力が不足する可能性もあるため、必要なときに少しずつ使うよう意識しましょう。容量や出力をあらかじめ把握しておくと、稼働させる家電の種類・時間など計画も立てやすくなります。家の中に複数人いる場合は、ひとつの部屋にまとまって過ごすのも有効な対策です。

 

特定負荷型の場合の利用方法

「特定負荷型」では、停電時に電力を供給できる場所が限定されます。リビングや子供部屋などを事前に指定することで、無駄な電力消費を防ぐ仕組みです。全負荷型に比べ、容量や本体サイズの小さい蓄電池が多い傾向にあります。

 

蓄電池の導入コストを抑えやすいため、金銭面に不安がある方に向いたタイプともいえるでしょう。導入後は、自立運転が「自動切り替え」のモードになっているか確認する作業も重要です。手動の場合、そのままでは停電時に電力が供給されません。蓄電池の種類を問わず、瞬時に切り替えられるようチェックしておきましょう。

 

災害時に蓄電池を利用する際の注意点

地震や台風などで停電になったときは、焦らず冷静に対処する心掛けが大切です。電気を確保した後は、待機電力にも気を配りながら計画的に消費しましょう。水害が多いエリアの場合、屋内設置を検討するのもひとつの方法です。災害用の蓄電池について、事前に押さえておきたい注意点を2つご紹介します。

 

待機電力で使い過ぎないようにする

停電中の蓄電池利用で意識したいのは、テレビやエアコンなどの待機電力です。本体の電源を切っている状態でも、コンセントに接続していると少しずつ電力を消費します。待機電力を抑えた家電も増えていますが、可能であれば使わない機器のプラグは抜いておきましょう。

 

特に、家電の全てを電力で賄うオール電化住宅は注意が必要です。家電の数が多いほど電力消費量も増加しやすくなります。使いたい家電に少しでも長く電力供給できるよう、待機電力の節約を心掛けましょう。

 

洪水が心配なら屋内設置にする

蓄電池は屋外に設置するイメージを抱くかもしれませんが、屋内に設置可能な機器も多数あります。家の周辺で洪水が起きやすい場合、屋内に設置できる蓄電池を選んだほうがよいでしょう。浸水による故障リスクを軽減できるためです。

 

2階建て以上の一戸建てに住んでいる方は、1階以外に設置するのも適切といえます。床上浸水の経験がある方や故障が心配な方は、あらかじめ業者に相談するのもおすすめです。台風や豪雨など、複数の可能性を考慮した上で決定しましょう。

 

災害時のライフライン確保を検討するならリベラルソリューションへ

災害時に備えた設備導入を考えている方は、ぜひリベラルソリューションへお任せください。蓄電池・太陽光発電の販売だけでなく、設備導入に関するご相談やプランのご提案を行っています。日常的な生活から停電などの緊急時まで、幅広いシーンでの活用が可能です。

 

私たちリベラルソリューションが強みとするのは、高品質なサポート体制と充実した保証内容です。設備を導入した後も安心して使い続けられるよう、ユーザーとのコミュニケーションを徹底しています。

 

導入する上でのデメリットも事前に共有し、納得してから契約に進む流れです。希望に応じて、オンライン面談によるサポートも実施します。蓄電池の選択肢やコスト面で疑問がある方も、ぜひこの機会にお問い合わせください。

 

まとめ

電気を貯められる蓄電池は、災害用の備えに役立つ機器です。太陽光発電の設備もあると、利便性はさらに高まります。突然の停電に不安を感じる方は、蓄電池以外の機器も併せて備えておくのがおすすめです。

 

リベラルソリューションでは、蓄電池をはじめ住宅・エネルギー関連の機器・設備を展開しています。電気料金節約につながる設備もご提案できるため、「信頼性の高い業者を探している」「蓄電池について相談したい」といった方はぜひご利用ください。

 

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