2020年の太陽光発電の売電価格は?自家消費と売電の比較について

お得に省エネや環境保護に取り組む方法として太陽光発電の導入を考えている方もいるでしょう。太陽光発電で得られた電力は、電力会社に買い取ってもらえます。しかし、売電で得をするのかどうか分からずに不安という方もいるのではないでしょうか。

 

そこでこの記事では、2020年の太陽光発電の売電価格や太陽光発電を設置した際のメリットをご紹介します。電力会社別の売電価格や蓄電池についても解説するので、太陽光発電が注目されている理由が分かるでしょう。

 

目次

2020年度の太陽光発電の売電価格が発表!

2020年度の売電価格が決定し、発表されました。今年度も固定価格買取制度(FIT制度)は維持されています。2019年度から制度が変更になった点もあるので、該当する方はしっかりと確認しましょう。ここでは、2020年度の売電価格について解説します。

 

決定した売電価格について

2020年度の売電価格は以下の通りです。

 

・10kW未満(住宅用)

2020年度の売電価格は、全国で一律21円/kWhです。2019年は出力制御対応機器の設置有無で価格に違いがありましたが、2020年は一律価格に変更となっています。固定価格買取期間は10年で、2019年度と違いはありません。

 

・10kW以上50kW未満

2020年度の売電価格は13円/kWhで、固定価格期間は20年です。ただし、発電した電力の30%以上は自宅で消費し、余った電力しか売却できないという条件があります。災害時に電源活用ができるように自立運転用のコンセントの設置も必要です。

 

FIT制度の申請では、電力の自家消費計画や自家消費可能な設備の設置に関する資料を提出しなければなりません。自家消費率30%が認められない場合、設定が取り消される場合もあります。

 

売電価格は年度ごとに決まる

2017年度~2019年度の売電価格は、2016年に3年分がまとめて発表されていました。1年ごとに売電価格が発表されようになったのは、2020年度からです。

 

1年ごとの検討、決定となったのは、再エネ賦課金の負担が増加し続けていることが背景にあります。FIT制度の財源の一部は電力使用者から徴収している再エネ賦課金です。こうした国民負担や市場の状況に合わせて売電価格が決定できるように1年ごとに発表するようになりました。

 

全国統一が続く可能性がある

昨年度まで出力制御対応機器の設置有無で差があった10kW未満(住宅用)の売電価格が、今年度は一律でした。今後、売電価格は全国統一される可能性があるでしょう。

 

出力制御対応機器の設置義務があるエリアでは、導入コストが高くなると予測され、売電価格が設置義務のないエリアよりも高く設定されていました。しかし、実際には、設置義務エリアのほうが導入費用はかかっていないことが判明したという背景があります。

 

電力会社別の電気料金と売電価格の比較

太陽光発電を自宅に導入すると、売電契約を結ぶことによって発電した電気を電力会社へ売却できます。しかし、売電で利益が出るのか気になる方もいるでしょう。ここでは、電力会社別の電気料金と売電価格を比較して、売電と自家消費のどちらを選ぶべきか解説します。

 

電力会社別の料金比較

電力会社別の電気料金(買電)を表にまとめました。電気料金は一般的な家庭で利用されることの多い料金プラン「従量電灯B」のものです。4人世帯の家族が使用する平均的な消費電力である400kWhを消費すると仮定して平均電気料金を求めました。電気料金はあくまで仮定なので、詳しく知りたい方は実際の明細表で確認しましょう。

電力会社

電気料金

平均電気料金(400kWh使用時)
120kWhまで 120 kWhをこえ300 kWhまで 300 kWhを超える分
北海道電力 23.98円 30.27円 33.99円 29.31円
東北電力 18.58円 25.33円 29.28円 24.29円
北陸電力 17.85円 21.74円 23.45円 21.00円
東京電力エナジーパートナー 19.88円 26.48円 30.57円 25.52円
中部電力ミライズ 21.07円 25.54円 28.49円 24.94円
関西電力 17.92円 21.21円 24.21円 20.97円
中国電力 18.10円 24.19円 26.06円 22.83円
四国電力 16.97円 22.50円 25.42円 21.57円
九州電力 17.46円 23.06円 24.96円 21.86円
沖縄電力 22.95円 28.49円 30.47円 27.32円

太陽光発電を導入する家庭の場合、オール電化住宅となることも多いかもしれません。オール電化には専用の夜間電気料金が安くなるプランもあるため、各電力会社の料金プランを確認してみましょう。

 

売電と自家消費どちらがお得?

売電価格が電気料金よりも安い場合、売電より自家消費がお得になります。例えば、北海道電力で400kWh消費したときの電気料金は従量電灯Bで約1万1,725円です。一方、売電価格は21円/kWhなので、同じ400kWhの電力を売っても8,400円にしかなりません。

 

他の電力会社で比べても、売電価格は平均電気料金よりも安いことも多いので、発電時間帯に電力を消費する場合は売電よりも自家消費のほうがお得といえるでしょう。

 

2020年度は太陽光発電の購入がオススメ!

いつかは太陽光発電を生活に取り入れたいと考えている方には、今、始めることをおすすめします。太陽光発電を導入するメリットは売電以外にもあることを忘れてはなりません。ここでは、2020年度の今、太陽光発電の購入をおすすめする理由をご紹介します。

 

FIT価格は毎年見直しがあり、下落傾向

固定買取価格は毎年専門家会議で見直しが行われ、経済産業大臣がその結果をまとめることで決定します。制度の認定を受ければ決められた期間で買取価格が保証されますが、この制度がいつまで続くかは明言されていません。

 

また、FIT価格は太陽光発電10kW未満の設備で42円からスタートし、毎年1円~4円程度下落しています。FIT制度は再生可能エネルギー設備導入の負担を減らすことを目的に始まった制度です。制度があるかないかの違いは大変大きく、費用が高いことが理由で導入を見送っていた家庭ではなおさら、早めの決断がおすすめです。

 

元が取りやすい

今、太陽光発電を導入すれば、元が取りやすいというメリットがあります。FIT開始当時よりも発電効率が良く、耐久性に優れた太陽光パネルが開発されているためです。

 

最近では、ソーラーパネルが進化して発電効率が良くなっていることから、一般家庭の小さな屋根でも多くの発電が可能となりました。経年による発電効率の下落もわずかで、安定的で長期的に電力が得られます。

 

太陽光発電は耐用年数30年以上といわれ、長く付き合える設備です。しっかりメンテナンスを行えば10年程度で初期費用の回収が済む場合もあり、それ以降は少ない維持費で利益を生み出し続けられるでしょう。

 

電気料金は年々上がっている

電気料金は年々高くなっています。太陽光発電で作った電力を家庭で使用すれば、必要な分だけ電力会社から買えばよいので、電気代の節約となるでしょう。また、発電した電力を家庭で使い切れなかった場合、電力会社に買い取ってもらえます。今後、電気料金が値上がりしても、自家消費と売電による節約効果が期待できるでしょう。

 

また、電気料金で注目したいのは「再エネ発電賦課金」です。使用電力量によって金額が決まる負担金ですが、いわゆる再エネ設備を導入していなくても負担はしなければなりません。金額設定は再エネ設備の普及によって年々増大しており、各家庭での負担も増えている現状です。

 

停電時の対策になる

停電になった際に、太陽光発電で作った電力が一定量以上ある場合、家庭での電力の使用が可能です。ただし、非常時の際使用できる電力の容量に上限があるので、優先して使いたい家電のみに電力を供給するとよいでしょう。

 

また、発電していない夜間に停電した場合、電力が使用できないことにも注意が必要です。停電時に安定した電力を使用したいなら、蓄電池の設置をおすすめします。蓄電池があれば、太陽光発電で生み出した電力の余剰分を蓄えて、必要なときに使用が可能です。中には、いつも通りの生活ができる容量の蓄電池もあります。

 

太陽光発電の導入がオススメなケース

一般的に、太陽光発電を導入すれば、売電や自家消費で電気代が節約できるケースがほとんどです。中でも、太陽光発電の導入によるメリットが特に大きいケースがいくつかあります。ここでは、太陽光発電の導入を特におすすめするケースについて見ていきましょう。

 

電力消費量の多い住宅

電力の消費が多い住宅は、太陽光発電の導入を検討したほうがよいでしょう。例えば、二世帯住宅の電気料金は二世帯分の合算となると高額です。

 

太陽光発電を導入すれば、発電した電力を自家消費することで買電量を少なくして電気代を抑えられます。初期費用はかかりますが、払い続ける電気代の総額を考えるとお得になる場合も多いでしょう。

 

時間帯で料金が変わるオール電化住宅

オール電化住宅にも太陽光発電はおすすめです。オール電化の電気料金プランは、日中の電気料金が高く設定されています。夜間と比べると2倍~3倍ほど高いようです。従って、日中に電力を消費することの多い家庭では電気代が高くなる傾向があります。

 

太陽光発電があれば、日中に使用する電気を太陽光発電で賄うことが可能です。一番高い時間帯の電気代をカットできるので、大きな節約効果が期待できるでしょう。

 

たくさん発電できる住宅

屋根が広い住宅にも太陽光発電の導入をおすすめします。太陽光発電は、太陽光パネルに太陽光を集め、電力を作るシステムです。パネルを設置する範囲が広ければ広いほど、多くの電力が発電できます。

 

電力をたくさん発電できれば、売電できる電力量が増え、多くの利益を得られるでしょう。また、自家消費をメインに考えている方にとっても電力会社から購入する電力が減るので、電気代の節約につながります。

 

2020年は太陽光発電と蓄電池ダブル利用も検討しよう!

2020年に太陽光発電の導入を検討している方には、蓄電池も購入してダブルで利用することをおすすめします。太陽光発電で発電した電力を蓄電池に蓄えられるので、夜間でも発電した電力を使用することが可能です。ここでは、太陽光発電と相性の良い蓄電池について詳しく解説します。

 

蓄電池とは

電池は一次電池と二次電池の2種類に分けられます。一次電池とは乾電池のように1回で使い切る電池で、二次電池とは充電して何度も繰り返し使用できる電池です。家庭用蓄電池では、二次電池を使用しています。

 

太陽光発電には電力を蓄える機能がなく、蓄電池には電力を生み出す機能がないため、双方の欠点を補える蓄電池と太陽光発電の相性は抜群です。発電した電力を蓄えられる蓄電池をダブルで利用すれば、電力を効率良く使えます。

 

蓄電池の導入で自給自足

太陽光発電で電力を作るには、太陽の光が必要です。従って、曇りや雨の日、夜間には十分な量の電力が作れません。蓄電池を利用すれば、晴れた日に発電した余った電力を蓄電池に蓄えておくことが可能です。蓄えた電力は、夜間や天気の悪い日に使用できます。

 

容量の大きい蓄電池なら、自給自足に十分な電力を確保できるかもしれません。ただし、太陽光発電も設備規模によって生み出せる最大電力量は決まっているため、容量の面でも相性の良い蓄電池を選ぶ必要があります。

 

まとめ

太陽光発電の導入を考えている方は、毎年見直されるFIT制度による売電価格のチェックが重要です。2020年度の売電価格(FIT価格)は10kW未満で21円になりました。この価格は下落傾向にありますが、売電価格が安くても自家消費すれば電気代の節約になるでしょう。また、蓄電池とダブルで設置すれば、さらに効率良く発電した電力が使えてお得です。

 

太陽光発電と蓄電池の購入を考えた際に、種類が多すぎてどれを選べばよいか分からないという方もいるのではないでしょうか。リベラルソリューションでは業界における老舗として太陽光発電や蓄電池を販売してきた実績で得られた知識と技術をもって、スタッフがお客様の話をヒアリングし、家庭の状況に合わせた太陽光発電システムをご提案します。

 

また、太陽光発電を導入する際にFIT制度の適用申請は不可欠です。国から許可がもらえなければ売電価格の保証が得られないため、しっかり申請をしましょう。太陽光発電の導入ご検討の際には、生活環境にマッチした省エネスタイルの提案からFIT制度の申請代行までトータルにサポートするリベラルソリューションにご相談ください。

 

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