【卒FIT】今後も太陽光発電で得するためにできる3つの選択肢とは?

「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(以下「FIT」)は、固定価格での買取の有効期間を10年に定めています。FITの前身となる余剰電力買取制度が始まり10年が経った2019年、固定買取価格での売電を卒業するいわゆる「卒FIT」を迎える家庭が出てきました。

 

卒FIT後の太陽光発電で得する方法が知りたい、卒FIT後にもメリットはあるのだろうかと考えている方もいるのではないでしょうか。

 

そこでこの記事では卒FITした後、太陽光発電の売電で取れる3つの選択肢とそれぞれのメリットについて解説します。卒FIT以降の太陽光発電のメリットや、売電方法に関する工夫を理解すれば利益を最大化する方法がわかるでしょう。

目次

卒FITした後の太陽光発電における3つの選択肢

2012年時点のFITでは住宅用に取り付けられた10kW未満の太陽光発電対して1kW42円で買い取るとしていました。年度によって買取価格は変動しますが2020年度の売電価格は21円となっています。

 

卒FITした後は、固定価格での買取制度がなくなるため、太陽光発電をどのように活用すればよいか迷う方もいるでしょう。ここでは、卒FIT後の3つの選択肢について解説します。

 

一般電気事業者へそのまま余剰電力を売電する

卒FITした後も一般電気事業者に余剰電力を売電する方法を取るのも選択肢です。卒FIT後はそのまま一般電気事業者への売電に切り替わるため、何も手続きしない場合は自動で一般電気事業者への売電に切り替わるでしょう。東京電力、九州電力など10社すべての事業者が買取の継続を発表しています。

 

2020年以降の卒FIT後の買取価格は1kWあたり7円~9円と発表されました。固定買取価格に比べると安くなっていますが、電気代の節約になることは間違いありません。

 

新電力会社へ余剰電力を売電する

新電力会社に余剰電力を売電することも選択肢のひとつです。新電力会社とは電力自由化以降に参入した電気小売事業者のことで、他産業からの参入による業者や自治体の第三セクターなどの新電力会社が電力買取サービスを始めました。今後も新電力会社で売電を受け付ける会社が増えていくと予想されています。

 

新電力会社は「卒FITプラン」などを設けるなど、卒FITを迎えた住宅からの売電を積極的に受け入れる姿勢を見せている企業がある点が特徴です。各社のプランを比較して、自分にあった条件で契約を結べば卒FIT後の不安を解消できるでしょう。

 

蓄電池と連動させて完全自家消費する

卒FIT以降は売電するのではなく、蓄電池と連動させて完全自家消費する選択肢もあります。卒FITした後の売却価格がどうなるかの見通しを立てることはできません。現在一般電気事業者では1kWあたり7円~9円の売電価格となっていますが、過去のデータから今後も下がることが予想されます。一方で電気代は高騰傾向にあるため、自家消費の方が節約につながるケースが多いでしょう。

 

自家消費を選択する場合は蓄電池を利用する必要があります。蓄電池は今使用している太陽光発電システムに後付けすることも可能です。初期費用はかかりますが、蓄電池の寿命を考えるとトータルの収支では得をする場合が多いです。蓄電池の導入では補助金を受けることでコストを抑えて入できるケースもあるため上手に利用しましょう。

 

一般電気事業者への売電

卒FITした後に何も手続きをしていない場合は、一般電気事業者に売電することになります。FITのときと比べると買取価格が下がることがデメリットです。しかし、買取できないなどの心配がないため、安心して利用できるでしょう。ここでは一般電気事業者に売電する場合の買取価格やメリットについて解説します。

 

一般電気事業者による余剰電力の買取価格

余剰電力の買取価格は電力会社によって変わるため、それぞれの電力会社の売電価格を確認することが大切です。

 

たとえば東京電力エナジーパートナーの場合、卒FIT後の売電価格は8.5円となっています。九州電力の売電価格は7円です。

 

どの電力会社を見てもFITで保証されていたこれまでの売電価格よりは大幅に下がることにはなるでしょう。FIT終了後に何も手続きをしなければ電力会社への買取になります。買取価格をよく比較して売電先を選んで手続きを行うのも選択肢です。

 

一般電気事業者へ売電するメリット

電力会社に売電するメリットは、大手であることの安心感、倒産リスクが少ないことや契約更改が簡単に済むことが挙げられます。卒FIT時も手続きなしで自動的に更新されるため手間もかかりません。

 

買取価格はFIT適用時と比べると大幅に下がりますが、導入費用さえ回収できていれば生活費の削減になるため十分メリットがあるといえるでしょう。中部電力のように余剰電力の預け、預けたとみなした分を買電分にあてるプランを設けている企業もあります。

 

新電力会社への売電

電力会社ではなく新電力会社に売電する方法も選択肢のひとつです。新電力会社では独自で買取価格が設定されており、電力会社よりも高値での売電が可能な場合もあります。

 

ここでは新電力とは何か、新電力の場合の余剰電力の買取価格や売電する場合の注意点について見ていきましょう。

 

新電力とは

新電力とは電力自由化によって参入した電力を販売する会社のことです。一般家庭向けに電気の小売りを行うため、電気小売事業者とも呼びます。

 

電気の供給は新電力が行いますが、送電は電力会社が行うため新電力会社と契約した場合でも特に電気の使い勝手が変わることはありません。新電力の中には売電を受ける会社もあり、場合によっては一般電気事業者よりも高値で売電できる可能性があります。

 

新電力による余剰電力の買取価格

新電力による余剰電力の買取価格は、会社ごとに変わるため一概にどの程度の価格で売電できるとはいえません。大まかな相場でいえば、10円前後だといわれています。

 

たとえば、Looopでは北海道、東北、東京で1kWあたり8円、中部、関西、中国、四国、九州、北陸では1kWあたり7円で売電可能です。出光昭和シェルでは、電気の契約も出光昭和シェルにすることで買取価格が上がる仕組みになっており、地域にもよりますが9.5円~11.5円でとなっています。

 

契約している電力会社よりも高値での売電が可能であれば、新電力の利用も選択肢になるでしょう。

 

新電力へ売電する場合の注意点

新電力へ売電する場合には注意点もあります。売電するための条件として買電契約を結ぶ必要があり期間が限定されることも注意点のひとつです。時限的な契約になるので、売電だけでなく、買電する場合の費用を計算に入れて損得を考える必要があります。

 

新電力の場合は倒産などによって突然契約が終了する可能性も注意したい点です。契約先が倒産した場合は新しい買電、売電先を探す手間がかかるため注意しましょう。契約内容をよく理解してデメリットになりうる点にもよく注意する必要があります。

 

太陽光発電の電力を完全自家消費する

卒FIT以降は、太陽光発電の電力を完全自家消費するという選択肢もあります。蓄電池を利用する場合は設備の購入・設置費用がかかりますが、節約した分の電気代で初期費用は回収できる場合がほとんどです。

 

ここでは太陽光発電の電力を自家消費する方法や初期費用、メリット、注意点について解説します。

 

蓄電池に貯めた余剰電力を使う

太陽光発電で生み出した電気を蓄電池に貯めて太陽光が出ていない時間帯に使用する方法が蓄電池による自家消費方法です。発電量と蓄電池の容量によっては、電気代0円の生活も実現できます。蓄電しきれない電力は売電もできるため、無駄がありません。

 

生活において、夜は照明を使用したり、家族が全員集まったりと電気使用量は増え、買電価格も昼に比べると高くなります。蓄電池があれば夜の使う分を昼間の太陽光発電で貯めておくことが可能です。電気料金の大幅な削減が実現できるでしょう。

 

太陽光発電と蓄電池を連動させるメリット

太陽光発電と蓄電池を連動させることで、いくつかのメリットが生まれます。具体的には以下の通りです。

 

・再エネ賦課金を支払う必要がなくなる

・災害時も24時間電力の利用が可能

・電気自動車の利用が便利に

 

これまで買電していた分を自家発電で賄えるのは大きな特徴ですが、それ以外にもメリットがあることがわかります。再エネ賦課金とは太陽光発電の売電制度の費用を補うために、電気料金と一緒に徴収されているお金のことを指します。太陽光発電の普及の進行に伴って再エネ賦課金の値段も高騰しているため、今後増々お得になるでしょう。

 

災害時には非常用の電源にもなり、12時間~24時間の連続使用も可能です。天災による停電が増えている近年においては大きなメリットとなるでしょう。

 

電気自動車を利用している場合は、電気自動車との連携が可能なトライブリッド式の蓄電池を選べば電気自動車をより便利に使うことができます。

 

蓄電池の設置にかかる初期費用

蓄電池を設置する場合にかかる初期費用が蓄電池本体の価格と設置のための工事費について、合計金額の相場は大まかに100万円~300万円です。

 

ただし蓄電池の価格は容量や機能、保証内容などによって大きく変わるため価格だけで選ぶことはおすすめしません。どの蓄電池が適切かは専門業者に相談するのがおすすめです。

 

蓄電池の設置に利用できる補助金について

蓄電池の導入は環境問題やエネルギー問題への貢献が期待されることから、国や自治体から補助金を受け取ることができるケースがあります。補助金を利用することで費用を抑えての導入が可能となります。例えば、2023年は「DER補助金」が利用可能でした。

 

補助金制度については業者が代行してくれるサービスもあります、自分で調べるのも大変なので気になった方は多数の実績を持つ設置業者に相談しましょう。

 

まとめ

卒FITする家庭が増えることから、今後の太陽光発電に対する考え方や取り組み方をしっかり見直す必要があります。卒FIT後は売電価格が大幅に下がることが予想されますが、FIT時点で導入費用を回収できていれば、その後の節約にも大きく貢献するでしょう。また蓄電池を導入することで、電気代0円を目指すこともできます。自分にあったプランをしっかりと検討しましょう。

 

太陽光発電や蓄電池の導入を検討している方はリベラルソリューションにご相談ください。業界内では最大手で、16年の実績を元に、あなたに合ったベストなプランをご提案します。太陽光発電の遠隔監視を行い、設置後のアフターケアも安心できる内容となっておりますので、太陽光発電、蓄電池の導入を検討している方はぜひ一度ご相談ください。

 

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